前回「共同経営型シェアードサービス」が、アウトソーサーにも顧客企業にも最適と書きました。
しかし、アウトソーサーの立場からすると、「共同経営型シェアードサービス」とネーミングしなくても「大型アウトソーシング」や「シェアードサービスアウトソーシング化」と称してもよいように思います。しかし「共同経営型シェアードサービス」の「共同経営」という言葉に実は大きな意味があるのです。
ともすればアウトソーシングすれば後はアウトソーサーに任せばよいと思いがちです。しかしその結果「アウトソーシングしたが大きな効果が出なかった。」などの声を聞きます。それはアウトソーサーだけの力では、変革はできないというアウトソーシングの本質的な背景があるのです。
以前にも書きましたが、たとえば業務改革を行うにも顧客企業が管理している制度しくみを変えないとその実現は難しいのです。したがってアウトソーシングにおいても、顧客企業の関与や協力がなければ業務改革などは実現できないのです。
このような背景から、「共同経営型シェアードサービス」は、経営の主導権はアウトソーサーに移管するものの、両社の協力関係を維持してシェアードサービスを運営するとの概念なのです。
言い換えると、顧客企業にとって「共同経営型シェアードサービス」には2つのメリットがあるのです。その一つ目は顧客企業にないアウトソーサーの保有するノウハウを新たに加えることで改革を加速させる狙いがあるのです。二つ目は経営権の異動により顧客企業と第三者的関係を構築することで、シェアードサービスセンターで働くメンバーにより顧客志向の意識改革を更に促すのです。
また、アウトソーサーにも2つのメリットがあるのです。その一つ目は、従業員をそのまま引き継ぐことでアウトソーシングでありがちな受託当初の業務の不安定さをなくすことができるのです。この結果、業務の安定化に悩まされずに業務改革などを早期にスタートさせることができるのです。二つ目は、顧客企業との役割分担を「共同経営契約書」にて明確にすることで、改革に向けての責任の曖昧さを解消することができるのです。
次回はO社では具体的にどのように実行していったのかを述べます