O社が取り扱ったアウトソーシング事業で、具体的事例として前回までにA社・B社の2社に関して述べ、その課題について浮き彫りにしました。
今日は課題の背景に関して二点包括的に述べたいと思います。
まず一点目は、日本では業務の標準化が進まず、企業独自の業務のやり方が多く、誰でもすぐに顧客の業務をできるわけではない。つまり、業務の習熟には相応に時間がかかるのである。更に、拠点単位などでローカルルールも多く一層習熟の時間を要している。また、業務の前提になっている制度や仕組みについても各社各様で、アウトソーサー側の人材が理解するのも容易ではない。制度や仕組みの企業環境の変化に伴い変更を余儀なくされる。このことから、常に変化対応を強いられ、その工数も多大である。
二点目は、顧客企業側でアウトソーシングに関する理解が進んでおらず、下請けや人材派遣と誤解して対応している場合も多い。結果として、業務分担の不明確さを助長している。また、リストラクチュアリングの一貫として捉えている傾向もあり、顧客側ではコスト優先の対応が多く見受けられる。このような顧客側の姿勢から、アウトソーサー側でも従業員のモチベーション維持向上や安定的な雇用に苦心している。
以上のようなことを前提にするとアウトソーシングも通常のやり方では非常に大きなリスクがあった。したがって、アウトソーシングの前提条件から考え直さざるをえないと考えた。
ここでアウトソーシングを改めて定義したい。まず顧客さんから業務を引き受ける。そして、顧客と協議してより単純化や標準化で業務の効率化を行い、誰にでもできる業務に再構築する。更に、企業環境の変化に伴って新たな制度や仕組みに適応できるようにする。そして、アウトソーサー側から制度・仕組み変更に伴う業務の変更に関して提案できるようにする。
次回は、アウトソーシングの課題を根本的に解消するには、今述べたアウトソーシングの前提条件のどこを考え直さないといけなかったのかを述べたいと思います。