前回に続いて、もう少しアウトソーシング事業の問題について述べます。
シェアードサービスの場合は、グループ内であるため、どこの部門に問題があるのか、どこの人に問題が多いかの情報を把握するのが可能です。しかし、外部企業の場合はそのような情報を期待することはできません。人と人とのコミュニュケーションや社内人脈で得られる情報も業務を円滑にすすめるうえで大きな効果があるものなのです。
さて以上、アウトソーシング事業はシェアードサービスとは異なる大きな業務の障害があると述べました。
次に、アウトソーシング事業は具体的にどのような困難さを伴うのかを述べます。
小規模のアウトソーシングの場合も、受託当初に業務習熟するまでに相応の時間を要しますが、しかしほどなく安定的な業務の推進が可能となります。しかし、ある程度の規模(おおよそ10名以上の規模)になると今までに述べてきたシェアードサービスとアウトソーシングの違いが、業務の円滑な推進に大きな妨げとなります。
たとえば、委託企業の業務上の問題の所在が分からないため、効果的なチェックが出来ず、業務品質を保持するのが難しくなります。また、委託企業での制度変更なども伝達されないので的確な処理変更も難しくなります。また基本的な事ですが、組織変更・人事異動情報などの伝達も遅れがちとなり、業務処理変更の対応もスムーズに行われないことになります。したがって、アウトソーシング導入当初の習熟のための高負荷だけでなく、日常的に効率的な運用も難しくなります。よって、高負荷状態が継続することにもなりかねません。
また残念ながら、アウトソーサー側が高邁な理念で推進しても、委託企業側では、アウトソーシングをリストラクチャリングの一貫として取り組まれるケースも多く見かけます。したがって、コスト優先で委託され、アウトソーサー側でもコストをいかに安くすることが必要になります。低コスト対策のため、アウトソーサーは、パートや派遣社員など非正規社員を多く採用することになりがちです。
また、委託企業はアウトソーサーをどうしても下請け扱いで見る側面があります。このように、高負荷状態の継続・雇用形態の非正規社員化・委託企業からの下請け扱いで、非正規社員はモチベーションの維持向上ができなくなります。この結果、非正規社員の退職も多発して、結果として業務の安定も困難になるのです。
次回はO社で対応したアウトソーシングでの課題について述べます。