O社ではシェアードサービスセンターが幅広い領域で業務を担当していました。また、グループ内の改革の実績にも自信を持っていました。したがって、外部の企業から業務のアウトソーシング事業を推進できると考えました。
しかし、アウトソーシングはシェアードサービスとは異なった側面を持っており一筋縄ではいきませんでした。
言うまでもなく、シェアードサービスは顧客がグループ内企業であるのに対して、アウトソーシングが外部企業であるのが違いです。しかし、業務が共通であることから大きな違いはないと思いがちですが、顧客が外部企業かグループ企業であることが実は大きな課題を生じさせたのです。
顧客がグループ企業である場合は、部門や会社が異なるとはいえ共通の考え方や風土の中で過ごしています。業務のプロセスも企業ごとのものの考え方で随分違うものです。たとえば、経理や人事部門がチェックなどを厳しく担当している企業もありますし、逆に現場部門にチェックを任している会社もあります。したがって、この両社の業務フローは異なったものになります。
仮にシェアードサービスセンターが、現場部門にチェックを任している企業を担当してきたとします。この場合、アウトソーシングで逆に、シェアードサービスセンターにチェックに依存される場合随分異なった業務の仕方を強いられると思われます。
また、外部企業とグループ企業を担当するのでは情報に大きな格差が起こるのです。
同じグループ企業にいると自ずと各種の情報が入ってきます。いろんな制度や仕組みが変更される時、事前にシェアードサービスセンターにも制度変更の相談があります。また変更の内容情報も少しづつ入ってくることが多いのです。たとえば、人事制度の変更がある場合も、事前の相談や情報によって業務変更の心づもりや準備もできます。ところが、アウトソーシングの場合は、具体的な制度変更の内容がオープンになって初めて外部企業から通知されることになります。
O社が対応したアウトソーシングで、賞与支給の1週間前に計算方法が変更されるのを通知されて、対応したことがあります。変更の通知から事務作業の変更をするわけですから大変な負荷をかけて対応したのでした。アウトソーシングを委託される企業も悪気がないのですが、事務作業の大変さを理解できないのでこのようになったと思われます。アウトソーシングの場合は案外アウトソーサーの事務作業を気にしないものなのです。
次回も続きを書きます。