O社が意に反して、最初に外部の顧客から受託したのはコンサルティングサービスでした。このサービスは前回までに書きましたように「フロー型ビジネス」「狩猟型ビジネス」でした。
このビジネスのスタイルは、ビジネスとしては非常に苦しいことも書きました。そこで安定的・継続的なビジネスにするには、「ストック型ビジネス」「農耕型ビジネス」を推進しなければなりません。
「ストック型ビジネス」「農耕型ビジネス」とは、顧客の立場からすると一過性の仕事ではなく繰り返し対応される業務を委託することに他なりません。よく言われる言葉で表現すると反復的定型的業務のアウトソーシングということになります。
まさしくO社の目指したビジネスも反復的定型的業務アウトソーシングです。
ここで、少しアウトソーシングということを整理してみたいと思います。
業務は本来全て自社で対応することを前提にすれば、広く解釈すれば少しでも外部に委託することをアウトソーシングと解釈することができます。しかし、慶応大学の花田教授は「花田モデル」として、狭義のアウトソーシングとして、次にように定義されています。
外部に任す内容としては2つがあります。一つ目は「業務そのもの」です。二つ目は「業務を行うためのプロセスやフロー・手順」です。この2つに内容をそれぞれ更に「外部に任す。」「外部に任さす自社で対応する。(内部で対応)」で整理すると4つに分類できます。
まず一つ目は「業務‥内部 手順‥外部」です。これは、前回までに述べた「コンサルティング」になります。次に二つ目は「業務‥外部 手順‥内部」です。これは「人材派遣」になります。さらに三つ目は「業務‥外部 手順‥内部」です。これは「外注(請負・下請)」になります。最後に四つ目は「業務‥外部 手順‥外部」です。これが「狭義のアウトソーシング」になります。
外注と狭義のアウトソーシングは似ていますが。このうち外注は低価な人件費コストや大量の業務を対応することで規模のメリットを生かしたビジネスです。これに対して、アウトソーシングは、優れた業務手順の構築能力を持ち合わせて常に業務の仕方を最適な内容に更新できるビジネスです。
O社の目指した外販も狭義のアウトソーシング(今後アウトソーシングと書けば狭義の内容です。)なのです。それは、O社グループのシェアードサービス導入で培った業務改革のノウハウは、業務の手順の改革を通じた「業務の品質向上・効率化・スピード化」こそが売りものになると考えたからです。