本日は、企業のトップ層からみたシェアードサービスが取り組む外販について述べます。
多くの経営者は、「余計なことを考えずにグループ内だけに留まって欲しい。」とか「企業の本業でない分野なので、事業として推進した場合、結果的に外部の顧客に対して責任が持てない。」「外販の展開によって人員増が予想されるので認めがたい。」など外販に関しては否定的な声は多いように思います。特に本業とは全く異なった事業をグループ内に抱えてしまう不安が大きいように思います。確かにこの声は理解できる面もあります。
しかし、前回まで述べたようにシェアードサービスはグループ内の取り組みに留まると改革も限界が見えてくるのも事実です。そこで、外販に関して懸念される点を解消しながら、シェアードサービスに一層の効果を考える打ち手を考えるのが建設的だと思います。
「シェアードサービスの限界を解消する打ち手として外販の取り組み」と「経営トップが懸念される点」の双方を満足する打ち手として考えられるのは、シェアードサービスのグループ企業(親会社)からの自立化させ、改革を加速させることだと考えます。
ここで掲げた自立化の意味は、親会社資本だけに頼るのではなく、顧客・従業員・取引先などにも資本の供出を得た会社として運営することを指します。場合によっては親会社の関係会社から離れることも考えられると思います。このようにすれば、シェアードサービスセンターがグループ企業に留まっている経営者の不安を払拭できると思います。この打ち手は、別の見方をすると、シェアードサービスセンター自体をアウトソーシングすることになります。具体的な姿は別の項で触れることにして本日は考え方だけにとどめます。
自立化したシェアードサービスセンターは、間接業務サービスを本業とする専門プロの会社に位置づけられることになります。また顧客であるグループ企業に対して第三社的な関係になります。そして、グループ企業に対してもシェアードサービスセンターにありがちな甘えが許されないことにもなります。より事業を推進することを求められることでサービスのQCS(品質・コスト・スピード)を向上させることを余儀なくされ、顧客の企業の改革も推進されることになるのです。
また、シェアードサービスの従業員に対しても大きなインパクトを与えることになります。従来は、シェアードサービスセンターではたらく一人一人も必ずしもシェアードサービスセンターに従事することを前提に仕事に従事してきたわけではありません。しかし、シェアードサービスの自立化は、従業員にも「シェアードサービスを職とする考え」を迫るのです。俗にいう「就社意識」から「就業意識」への転換を迫るのです。
非常に意義のあるパラダイム転換ですが、片方で苦しい選択にもなるのです。永年過ごしてきた会社から離れるのは苦しいことですし、特に働きやすい会社ほど一人一人は大きな葛藤を生むことになります。シェアードサービスセンターではたらく一人一人も、「間接業務のプロとして生きていく。」という覚悟が求められていると思います。
常日頃から考えながら専門プロを目指して取り組む時期に来ているのかもしれません。