今日から「業務改革」について書きます。
「業務改革」に似たような言葉で「業務改善」というのもあります。更に「構造改革」という言葉も最近使われます。3つの言葉がどのように違うのか学問的な定義はあると思われます。しかし、私はメーカーで育ったものですから工場での物の作り方をイメージしながら3つの違いを解釈することにしています。
メーカーでは製品を生産する前には設計図が必ずあります。製造現場では設計図に基づいて生産を開始します。しかし製造現場では生産の仕方を工夫することによって納期の短縮やコストダウンが行われます。このように設計図は変えずに生産の仕方を工夫することは「改善」と考えられます。
これに対して、設計の一部や全てを見直し、製品の付加価値を向上させたり、納期短縮やコストダウンが設計段階で達成できるようにすることを「業務改革」と考えています。また、業務改革はBPR「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」とも呼ばれています。
更に、設計図の変更はしないで工場の立地や生産委託などを見直すことで、納期短縮・コストダウン・為替リスクの回避などを図ることがあります。具体的には海外生産・現地生産や生産専門会社への生産委託などです。このようなケースは「構造改革」と考えられます。
もう少し、身近な例で説明します。ある夫婦が老人になって介護が必要になるとします。そうなるとバリアフリー化などを行い介護適した住居にするため家のリフォームすることが必要になります。これは「改善」に当たります。
これに対して、古い家を壊して、バリアフリー型の家を新しく建て直すことは「改革」にあたります。更に、老人だけの住居は諦め、二人で介護付有料施設に入居するのは「構造改革」に相当すると考えられます。
このように考えていくと、業務改善はレベルの低い話に思われるかもしれませんが決してそうではありません。モノづくりの世界ではトヨタの生産方式に代表されるように「カイゼン」は海外でも通じる言葉で、重要な概念と考えられています。どんなに設計者が素晴らしいと思って設計しても、製造現場で作り方の工夫をすることで納期やコストに大きな違いが見られるからです。また製造現場では一人一人の創意工夫が生かすことが企業間の競争の源であるからです。このことは間接部門の現場でも同じではないでしょうか。
そこで、これからの「業務改革」の項は、上記に述べた「業務改善」「業務改革」「構造改革」の3つの概念について述べていきます。