「顧客課題解決力」はかなり高いレベルの能力になります。多くの企業のシェアードサービスセンターが、業務改革が進まないどころか、日常の業務推進でさえ思いどおりに進まない現実があります。まずは、業務推進を安定的に推進して業務改革を行うことが必要です。しかし、組織ののなかで一人でも「顧客課題解決力」を持った人材を重点的に育てることが不可欠です。さもなければ改革を急ぐ経営や他の部門から見放されることになるでしょう。
「顧客課題解決力」を保有した人材と言うと、コンサルタントをイメージされるかもしれません。
しかし、俗にいう経営コンサルタントは、「経営者」に対して経営課題を提示して、経営的な観点で解決策を提示することを得意としています。また経営課題を重視するあまり現場課題は置き去りにされ、結局課題解決が出来ない場合もあるようです。
これに対して、間接部門の顧客課題の解決を実のあるものにするには、経営者だけでなく現場の担当者と対峙して現場課題を掌握することが不可欠です。したがって顧客課題の解決に当たる人材は、人事や経理などの間接業務の一部を経験し、機能全体に関して把握できていることが前提となります。
ただ、顧客の現場課題に関して一方的に解決策を提示することは避けた方がベターです。むしろ顧客と共同で解決に当たるという姿勢の方がベターです。なぜなら、顧客の担当者の方が実務はむしろよく知っていると考えられますし、仕事を良くしたいという誇りも持っています。そのような中で他者が一方的な提案をしたところで反発を招くだけです。一緒に考え、担当者の改善意欲を生かすようにする方が望ましいと言えます。
また、顧客の担当者は自社の業務に没頭するあまり、客観的に自らの業務の評価が出来ずにいます。そこで、顧客解決に当たる人材は、顧客の担当者に「きづきの世界」を提供することも有効です。
たとえば、原価管理の考え方を生かしてそれぞれの業務にどれだけのコストがかかっているかなどを明確にして改革の必要性を感じてもらうことです。たとえば、一人当たりの給与計算コストのデータを提供し他の客観的なデータ(たとえば他社の同じデータ)と比較してもらうことです。そうすると「高いからなんとかしなければいけない。」などのように担当者に新たな改革意欲を生じさせます。
つまり、顧客課題の解決に当たる人材は、経営課題を踏まえながら現場課題を重視して、現場の実務に当たる人材をも改革に向かわせるよきコディネータなのです。