今回が「業務の専門性」について最終稿です。前回までに専門知識については言うまでもないことですので触れずに、企業人やシェアードサービスセンターで働く一人一人に求められる専門性の有り様について書きました。
話が戻って恐縮ですが、私が経理部門に在籍中の部門長は決算期末の棚卸立ち合いを非常に重視していました。したがって、9/30や3/31の決算期末になると経理マン全員が工場や営業の物流センターに材料・仕掛品・製品などの棚卸の立ち合いに出向きました。棚卸立ち合いの数量カウントは内部牽制に意味がありますが、もっと重要な意味がありました。
現場に出向き実際現品を見ると「ほこりの被った在庫」や「客先から返品された製品が山積みされている。」など生々しい状況がわかりました。そして、このような情報をもとに営業や工場と折衝して、在庫処分などの勧告をすることもできました。また、個々の問題でなく工場や営業部門全体の管理状況を知ることもできました。
当時生産の拡大で新工場が数多く建設されていました。そして、生産機種の移管が新工場に行われることも多くありました。この際、不思議に感じられることがありました。製品の機種移管とともに、仕事のすすめかた・やりかたまで旧工場から新工場に移管されていることを感じました。良い習慣を保有している旧工場からは新しい工場でも良い習慣が引き継がれていました。逆に感心しない習慣を保有している旧工場からは、新しい工場にも悪い習慣が移っていました。よい伝統を作り上げることは大切と感じるとともにし、どの工場を重点的に管理しないといけないかもわかりました。
前回までに書いた内容や今回の例が示すように、企業人・シェアードサービスセンターで働くメンバーに求められる専門性は会計士・税理士・社会保険労務士などの専門家に求められるそれとは違うことがわかっていただけたのではないでしょうか。
「会計士」「税理士」「社会保険労務士」などの専門家は主として、専門性を深堀して顧客の企業などを第三者・客観的に捉え、企業が社会秩序を守ることに特に重視が置かれているように感じます。
これに対して企業人・シェアードサービスセンターで働くメンバーにとっては、企業の成長と発展をめざしことがまずは前提にあります。そのため、経営や事業を十分理解し「経理部門」や「人事部門」「総務部門」に求められる役割・使命を踏まえなければなりません。そしてこの使命を果たすうえでの専門性を磨かねばなりません。したがって、自らの専門性を現場実態の中で現実的にバランスよく活用する必要があります。その意味で、企業人・シェアードサービスで働くメンバーは非常に働き甲斐のある存在ではないかと思います。
明日から金曜日まで所用で休稿致します。よろしくお願いします。