シェアードサービスセンターに従事するメンバーにとって、業務を遂行するに当たっての専門性が基本になることは言うまでもありません。経理業務に携わる人にとっては、財務諸表論や商法および税務の知識が必要です。また人事業務に携わる人は労働法規の知識が必要なことは言うまでもありません。また専門性の取得に関しては様々な意見があると思います。そこでこの項では私が経験した基本的な業務の取得に関して書きます。




シェアードサービスセンターは、会計士・税理士・社会保険労務士などとは違い、顧客企業の経営や事業の支援を通じて業績向上に直接寄与するという大きな使命を担っています。シェアードサービスセンターが子会社方式であっても、企業内部の存在としての使命があるのです。




したがって、まずもって企業人として経営理念・方針や事業活動の全体を捉えることが前提です。そして、企業人として自らの役割を認識し、経理や人事・総務などの機能を果たすことになります。




私が入社したとき、配属先は既に経理部門と決まっていました。しかし、正式に配属されるまで1年間の実習がありました。具体的には工場現場部門・営業・工場の管理部門と企業のいろんな部門を経験するといったものでした。このうち工場の管理部門の実習は入社から半年以上経過し、早く具体的な仕事をしたくなり少々焦り気味でした。しかし、実習先の上司からは「これから会社生活は長い。細かいことはせず工場の中をじっくり見て工場全体を捉えなさい。」と言われ、具体的な仕事は与えられませんでした。そこで、私は、材料の倉庫や現場をできるだけ見に回ったり、社内会議にも参加させてもらいました。この経験を通じて、おぼろげながら現場の問題や営業との葛藤など現場の大変さも知ることができました。また様々な人と知り合いにもなりました。



後から考えてみると、この経験は二つの点で非常に役立ちました。一点目は、会社というものを全体として捉えることができたことです。二点目は現場の人の頑張りで利益が生み出すことができ従業員の生活が維持できているのだという意識を持つことができたことです。言い換えれば「現場意識」といったものを体感できたことです。このことはその後の仕事をするうえで、大きな考え方のベースになりました。




もし実習もなしで入社してすぐに、経理部門に配属されたら随分私自身の仕事の捉え方も違っていたかもしれません。現場より経理優先的な考え方に凝り固まっていたかもしれません。




新人として入社して、集合教育を行い、即配属というケースもあります。しかし、新人が将来企業を背負ってほしいという気持ちがあるのなら是非実習というステージは設けてほしいものです。もちろん、その期間は別にして…