商品メニューごとに顧客を特定し、サービスの提供を行うとともにQCSを継続的に向上していくことにシェアードサービス導入の目的があります。しかし、顧客と言っても身内といってもよい特殊な関係にあります。そして、何よりも問題な点は、シェアードサービス導入時の顧客は「サービスを評価できない顧客」なのです。このような状況を前提にすると、まず何をすればよいのでしょうか。




通常には考えられないと思いますが、「サービスを評価できる顧客づくり」がシェアードサービスセンターの任務の一つなのです。私は、少し失礼な言い方かも知れませんが、「サービスを評価できる顧客」を「賢い顧客」と呼んでいます。


「賢い顧客作り」には具体的にはどうすればよいのでしょうか。以前に「サービス業に必要な行動特性として共同性がある。」と書きました。まず、この点に着目して考えてみることにします。




シェアードサービスでは、サービスのスペックを形作るのは顧客側が決定する側面を必ず持っています。そこで、商品を提供するのに際して価格だけでなく、そのスペックを必ず提示することにします。そして、スペックに関して顧客との具体的な協議をします。この協議の中で、スペックの内容をどのように改善していくかを詰めていくと、建設的な議論となり、よりよいサービスに止揚していくのです。このような手続きが自動的に、あるべき顧客関係に繋がっていくのです。




具体論で考えていくことにしましょう。たとえば、ある企業のシェアードサービスセンターでは「給与計算・支給」を顧客に提供しているとします。この場合、通勤手当の支給手続きも給与計算業務のプロセスの一環としてあります。ところが、この企業では通勤手当は現金支給のため煩雑な手続きになって原価を押し上げています。このことが原因になって価格も自動的に高くなっているとします。そこで価格を引き下げるためには、給与と同時に振込にすればよいことがわかりました。ところが、通勤手当の支給方式は顧客が統括する人事規定にされており、顧客が振込方式へ改定を決心しなければ変更は達成できないのです。




そこで、シェアードサービスセンターでは、通勤手当の支給方式に関して、現状の現金支払いと改定後の振込支払いの双方のスペックを示します。そして、顧客で人事規定の変更を促します。このようにすると、顧客側はスペックを評価でき、その結果具体的な価格のダウンなどのサービスの向上に繋がっていくのです。


明日もこの話を継続していきます。