サービス業の持つ特性である「共同性」について書きます。「共同性」とは、サービスは顧客と提供者が行動して作りこむ必要性を指しています。
たとえば、美容室に髪の手入れに行ったとしましょう。髪の手入れをする際、利用者と美容師は何の会話もないままで進めることはないと思います。利用者の方から髪型などを予め指定することもありますし。この際でも美容師は途中に利用者に内容を確認しながらス進めます。また、美容師の方から利用者にとって最適な髪形などを提案して進めることもあるでしょう。
このように、サービス業は提供者と利用者の共同作業で進められるのです。この場合、前記の例のように、提供者に提案能力が存在することで利用者の満足度がより高まることになります。
サービス業に比べて、製造業は予め消費者のニーズを捉えて製品仕様を決めて、製造者の判断で生産します。もちろん、これも大きくは製造者と消費者が共同していると言えなくないですが、サービス業のそれとは大きく異なります。サービス業の持つ共同性は、提供者と利用者が一対一の関係から生じるところに特有性があると思われます。それだけに一層顧客別の状況や課題を把握することが必要なのです。つまり顧客視点での発想が非常に大事なのです。
シェアードサービスの現場で具体的に考えてみましょう。ある関係会社の出納業務を担当しているとしましょう。この会社の経費精算業務は現金での支払いが中心なので非常に時間を要していました。その結果、関係会社からは高い料金をもらっていました。そこで、改善策として、シェアードサービスセンターではクレジットカードを利用すれば、キャッシュレスになり料金も安くなると考えました。しかし、シェアードサービスセンター側では、決定が出来ません。なぜなら、関係会社の経理規定で「経費精算は現金で行う。」と記載されているからです。現金払いからクレジットカードに変更しょうとすれば、シェアードサービスセンターから関係会社に「経費精算はクレジットカードでも可とする。」
というように、経理規定の変更をしてもらうように提案することが必要です。
この例のように、サービスの改善は、シェアードサービスセンターだけではできない性格を持っている場合が多いのです。したがって、サービス仕様を形成する制度を握っている利用者の共同性が不可欠なのです。
シェアードサービスの運用に当たっては、顧客へのサービスの現状を把握力とその課題提案力が何よりも必要なのです。
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