原価管理については、前にもその必要性について書きました。ここでは原価管理について陥りやすい課題について書きます。

ご承知の通り、原価管理は製造業の生産の場で使われている管理手法です。目標原価・標準原価・実際原価や原価差異の概念があり、あるべき原価などとの差異を捉え、分析して改善点を明確にしていくしくみです。したがって、原価把握のシステムはかなり精緻なしくみが必要です。しかし、私の経験では、このような実務上の煩雑さなどで製造現場でもかなり思う通り運用が進んでいない面もあるようです。原価把握に原価が膨大にかかるといった笑い話もあります。

シェアードサービスでの原価管理は、その目的が3つあるように思われます。そのうち三つは、製造業と同じように、上記で述べたような原価分析と改善点の把握、そして価格付けの元になる金額です。残りの一つは、担当者ひとりひとりへのコスト意識の醸成です。

製造業と同じような目的を果たそうとするとかなり事務上の煩雑さを担当者に強いります。この点が、予想以上に抵抗感が強いものがあります。抵抗感が強ければ、本来の目的のコスト意識の醸成以前に頓挫してしまう可能性も大です。実際そのような会社も多く見受けます。結構、原価管理となると、その性格から肩肘を張り、精緻なものにしょうとすることが逆に目的を形骸化する要因にもなりがちです。

シェアードサービスセンターでの様々な改善は、担当者の意識によるところも大きいと思います。したがって、まずは、コスト意識のない職場の担当者にコスト意識を徹底的に芽生えさせることが重要です。そのため、多少ラフでも継続的に原価の把握を行いことが大事です。継続的に行うことで問題意識をしっかりと植えつける方にポイントを絞ることが肝要です。

たとえば、直接原価も主要なものに絞るとか、業務の問題が多そうな内容について精緻に工数を把握するとか、形骸化しないように、めりはりのついた方法で対応するべきだと思います。

一番悪いのは、原価把握が目的化して、担当者はやらされているとの意識で行われているケースです。あるべき姿は、「担当者が原価を把握して、自主的に問題点に気づき、改善対応をして、その結果を知って、達成感を感じる。」のようなサイクルが回転することなのです。その為には、マネージャーの問題意識への動機づけも大事です。