ここまで、主としてシェアードサービスの組織づくりについて書いてきました。

一つ目は、シェアードサービスは人材の変革が鍵になるということ。その為には職種転換ともいうべき改革が必要なこと。具体的には事業組織化(プロフィットセンターとしての組織づくり)が適切なこと。

二つ目は、シェアードサービスとしての機能はどのような内容が望ましいのか。

組織づくりができれば組織の目標づくりということになります。具体的な目標設定やその

フォローに関してベストな手法はバランス・スコアカード(BSC)だと考えます。

この手法は1990年代に、イギリスのキャブラン教授によって開発されたと言われています。バランス・スコアカードを推奨する理由は、シェアードサービスの思想と似ているから

です。

バランス・スコアカードは、従来の考え方が短期志向で財務の目標のみを追求するあまり大事な専門性を失うことすらあったことの反省に基づく考え方です。

代表的なのは、リストラで人員削減を推進した結果、専門人材を失う羽目になったケースです。

これに対して、バランス・スコアカードは、顧客志向を徹底して、人材の育成(学習と成長)をはかり、この2つの視点を強化することを契機に、業務プロセスの改革を行い、結果として財務上の成果をあげるという考え方です。このストーリーは、今まで述べてきたシェアードサービスに非常にフィットした考え方です。

バランス・スコアカードの仕組みの中で、KPI(キイ パフォーマンス インディケーター、重要業績評価指標)というのがあります。これが目標指標になりますが、過度にこの指標を追い求めすぎると、手法の導入が目的化します。したがって、最初は顧客の視点→学習と成長の視点→業務プロセスの視点→財務の視点 という改革のストーリーを組織内に

徹底することの方がベターです。