関係会社にシェアードサービス化を提案するに当たって、二つの事が必要になります。

その一つ目が、シェアードサービス化する機能を何かです。まず、分社された関係会社を分類すると事業推進するのに必要な全ての機能を分社するケースと特定の機能のみを分社化する二つのケースがあります。このうち全社を「事業分社」と呼び、生産・開発・販売機能の内一部を分社する後者を、ここでは「機能分社」とよびます。

「事業分社」の場合は、関係会社で戦略機能を果たすとき同時に専門機能をより経営の近いところに配置したいため、支援機能のうち経営支援を一体的に担いたいとのニーズが強いと思われます。これは親会社の場合と同じです。また、「事業分社」は独立採算制が強い経営形態であることからガバナンス機能も「事業分社」で担うことが本来的にベターです。

よって、「事業分社」の場合は、支援機能の内、経営支援を除いた機能をシェアードサービス化することが関係会社側で受け入れられやすいと思われます。

一方、「機能分社」は、戦略機能も親会社の戦略に沿って特定の分野を担うにすぎません。

また、専門性も「深さ」は必要でなく「浅く広い専門性」が重視されます。全般的に間接機能は小さく効率的なものでよいと言えます。ですから、限られた戦略機能を関係会社に保有することがベストと考えられます。小さな会社になれば、経営者や管理部長のみで

よいかもしれません。逆に言えば、極力シェアードサービス化するのが望ましいと形態と

言えます。

二つ目は、シェアードサービスの業務遂行場所を「センター化」することです。つまり

関係会社のシェアードサービスを担当する人員を同一ロケーションに集中することです。

これができなければ、単に関係会社の間接要員をシェアードサービスセンターに組織的に

一体化するだけで、大きな効率性や専門性の向上は生じないでしょう。ロケーション的にも集中化することで専門性が向上し、規模の経済性が働き効率性が向上します。

「センター化」が可能となるには、シェアードサービスセンターとして、「センター化するための業務改革力・IT推進能力」がなければなりません。

なお、これらの業務改革力やIT推進能力については後日詳細に書きたいと思います。

以上、二のことから、関係会社のシェアードサービス化を推進するためには、親会社のシェアード化の中で、「機能の切り分け」や「センター化するための業務改革力・IT推進力」を開発しなければなりません。関係会社を含んだ全社的なシェアード化を進めるにあたって体系的な計画が何よりも必要です。