前にも触れましたが、シェアードサービスは、従来の間接部門の機能から、主として専門性が必要で高い付加価値や生産性が向上する機能を切り分け、それぞれの業務メニューの顧客にサービスを提供し改革を高める手法です。

ですから、新しくシェアードサービスセンターのを担う人材は、従来の体制で業務に携わっていた人が対応することが基本です。このため、シェアードサービスという仕組みを導入したとて、切り分けしただけでは、変革が促されるわけではありません。

シェア-ドサービス導入にあたって、次のような施策を採用される企業もあります。

最初の例として、シェアードサービスセンターを子会社化して、これを機会に従業員の給与水準を引き下げる企業もあります。この場合、短期的には確かにコストは引き下がります。しかし従業員のモラルダウンは避けられません。この結果、長期的にはコストダウンどころか業務品質にも支障さえ出かねません。

次の二つ目の例として、子会社化し、子会社でかかった費用を全て親会社が負担するようなやりかたを採用する企業もあります。この場合、従業員にとっては切り離された感情のみが残り、継続的な変革を起こすことパワーは生じません。

三つ目の例として、シェアードサービスセンターに切り分けられた業務が、作業的でひたすらDo的な業務にする企業もあります。この場合、シェアードサービス側で改革できる範囲は限定され、大きな改革は困難となります。

以上のような例はシェアードサービスの導入をはき違えた対応で、逆効果さえ生むものとなります。

では、シェアードサービス導入後に際して、何を押えないといけないのでしょうか。

シェアードサービスでは従来の人材が、そのまま新しい体制に組み込まれることになります。したがって、シェアードサービス導入を契機に、一人一人の人材に改革のエンジンにスイッチが入らないといけないのです。

言い換えれば、シェアードサービスという新しい仕組みで、それぞれの人が意識を変革しなければならないことになります。そして新しい役割や動機を持って対応することが不可欠です。

次回はいよいよ人材の変革のポイントについて書きます。