家賃滞納騒動はまだ続いている。
内容証明が送られてから数日後、
俺は気になって管理会社に電話してみた。
「あ、どうも〇〇ですが、その後101号室の件はいかがですか?」
「〇〇オーナー、ちょうど電話しようと思っていたんです。
実は101号室の入居者の娘さんと息子さんがこちらにお見えになりまして、
母親と連絡が取れないので部屋の中を確認したいという事なんです。
部屋への立ち入りは親族である確認が取れれば警察立会いの下で、
対応可能ですが、さすがに来てその日にと言うのは難しく、
いま手続きを進めているところです。
ですので、予定より早めに部屋に立ち入れるかもしれません。」
「そうですか。 でも、気になるのはその子供たちですね。
確か101号室の入居者本人の話では
息子がお小遣いをせびりに来るので、
断り切れずに渡してしまうという事でしたよね?
その探している子供たちは母親の年金が欲しいんじゃないですか?
だとしたら母親はその子供達から逃げていると言う事ですよね?」
「はい、確かに母親である入居者様からそのように聞いていました。
しかし、親族の方から本日お話を聞いてみると全く違うんです!」
「え、違う?? どういう事ですか?」
「実は母親はギャンブル狂であちこちで借金をしているらしいんです。
それでその取り立て屋から逃げていると言う事なんです!」
「な、な、何ですとー!!!!
じゃ、今まで入居者本人から聞かされていた話は全くのデタラメですか?」
「そこは何とも断言できませんが、今までの家賃滞納の背景も何度も約束を
破られた結果ですし、親族の方からのお話の方が辻褄が合うと思います。」
確かに、年金を奪っているのが子供達だとしたら、
わざわざ管理会社の事務所まで母親を探しには来ないだろう。
俺も子供達の話の方が真実味があると感じた。
「それにしても、そんなに借金があるのでしたら、
保証会社に加入する際の審査でどうしてわからなかったんですか?」
「それは、おそらくヤミ金から借りているのだと思います。
ノンバンク系の消費者金融であれば残るのでが、ヤミ金は残らないので。」
そういう事か、まさにナニワ金融道の世界だ。
俺はとんでもないババアに部屋を貸してしまったのかも知れない。
それにしてもアパート経営はなんて面白いんだ!
人間味がありすぎる。 真実は小説より奇なり!
この話はまだまだ続く。
そして、また思わぬ方向で部屋の中を知ることになる!
次回もお楽しみに。
