国内の同業他社(テレビ番組制作、映像制作会社)の屋外ロケでは、肩からぶら下げるENGミキサーとしては国内老舗のS社や海外のS社(実は他社OEM?)、あとはここ10年ほどで増えてきた国内のP社のミキサーを使っているところがほとんどです。
おそらくウエンツを使っている同業他社は1%もありませんが、弊社では
こだわりをもってウエンツ社のENGミキサーを使っています。
WENDT NGS-X3

(BP-90バッテリーを装着した例。BPだと48時間くらい使えます)(笑)
ウエンツはハリウッドでもけっこう使われているらしい?ですよ。
以前は弊社でも、国内でよく見かける他社製の定番ENGミキサーを使っていましたが、卓上タイプのミキサーと比べるとS/Nが良くないのがとても気になっていました。
バッテリー駆動のミキサーでは、電池寿命を延ばすために回路の動作電圧が低く設計されているものがあり、弊害としてS/Nやダイナミックレンジの低下(ノイズが増え、大きな音などで割れやすくなる)が起こったりします。
S/Nは悪いけれど、バッテリー駆動のミキサーだから仕方ない。業界内の定番機種だし、誰も文句言わないし… と、以前はあきらめていました。
ミキサーのヘッドアンプのS/Nは、音声収録ではとても重要な要素です。ドキュメンタリー番組の取材やドラマの現場収録では、消え入るような小さな声を収録しなければならない状況もよくあります。
マイクの機種選択で多少の改善は出来るのですが、基本的にS/Nが良くないヘッドアンプのミキサーでは、どんなマイクを使っても音量を上げると「シャー」という雑音が目立ってしまいます。
残念なことに以前使っていた他社製では、そういった厳しい条件下で「シャー」という雑音が目立ってしまうことがありました。
しかし、そういう場面は番組の核となるような重要な証言だったり、重要なセリフだったりする事がとっても多いんですね…(シャー)。
なんとかならんかなあ、と考えていた時に発売されたのが、ウエンツ社のNGS-X3でした。 2台買っちゃいました。

(上:入力部 下:出力部)
購入した際、従来使っていた他社製のENGミキサーと同一条件で比較したところ、最終的にはDAT収録で20dB近くノイズフロアが下がっていました。
(回路の入出力抵抗の差もあるので一概には言えませんが)
雑音が20dB低下です。けっこうとんでもない違いです。
小さな音の収録だけに限らず、ふだんの収録でも良さを実感しています。
マイクの機種や環境が違うので全く同じにはなりませんが、特に番組など、ENG部分の音声とスタジオ収録のナレーションとの音質差が確実に縮まるのを実感しています。
リミッターも「ペッタンコ」にならないので良い感じです。
ヘッドアンプの質は弊社で使用しているデジタルミキサー(ヤマハ DM1000 V2)より良いと思います。
ポータブルとしてはTASCAMのHD-P2のヘッドアンプとしても良く使っていますが、やっぱりかなり良くなります。
報道や情報番組の「撮って出し」のように音声の品質よりも即時性や簡便性を第一に求める現場では他社製の別機種のほうが適すると感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、NGS-X3は、特にポスト(MA作業)を通して最終的に高いクオリティが求められる番組取材やVP制作、ドラマのプロダクションサウンド(現場同録)収録などにおいて、弊社では欠かすことのできないミキサーです。
クラシックの録音でもHAとしても使えますよ。 (個人の感想です)