ヘタレ取締役
バカ社長の奇怪なエピソードはまだまだいくらでもあるのだが、今日は新しいキャラを出そう。
社長の側近、No2役員であるヘタレ取締役Kだ。
Kはずっと某大手自動車メーカーで働き、課長にまでなり、そのまま続けていればいいものを、大学時代の友人であった社長に誘われて会社辞め、L社に入ってしまった。
天下の1兆円企業と、家賃滞納地方企業を天秤にかけ、後者を選んでしまったK・・・
まぁ入るまでは家賃滞納するなんて思ってもみなかったんだろうけど、それにしても人生誤ったな。
私が本社勤務しているとき、Kと二人で同じ部屋にいたんだが、こっちが仕事しているときによくKは愚痴ってきたもんだった。
「ああ、社長がまた訳わからんことを言い始めた~ どうしよう!?」
いや、あんたが止めろよ!
「ああ・・・ もう仕事嫌や~ もうどうでもええわぁぁぁ」
お前は五月病の新入社員か! 俺に愚痴ってどうすんねん!
Kは典型的なイエスマンで、社長が何を言っても絶対に逆らわない人間なのである。
40歳過ぎまであの日本一の企業で仕事を覚えた人間なんだだから、L社の無茶苦茶ぶりはよくわかってるはずなのに、
「いや、大企業と違って、ベンチャーにはベンチャーのやり方があるんだ」
と無理矢理自分に言い聞かせて、ワガママ社長に振り回されて働いてる姿は痛々しい。他の若手社員からもすっかり見透かされていて、バカにされてる有様である。
一度Kと飲みに行ったときにこう言われた。
「君はL社に入って後悔してへんか? 僕は正直言ってすごく後悔してるわ」
酒の席とはいえ、入社して半年の俺に向かってそんなこと言っていいんか? 立場上まずくない?
どんなに激しく後悔しても、年齢が年齢なだけに、再就職も難しく、なんとかL社にしがみついてる有様である。
たのんますわぁ。No2なんだし、もうちょっとしっかりしてもらわんと~
またあるときこんなことを言われた。
「なぁ、一緒に辞めて二人で会社作ろうか? 一緒に手を組んで社長を見返してやろうや」
絶対嫌です・・・
資金調達
企業経営を行う上で必要な資金調達。せっかくいい事業計画があっても、資金がなければ実行できない。
上場している企業は幅広く投資家から資金を集めることができるが、ベンチャー企業はそういうわけにはいかない。世の中にはそんなベンチャーを支援してくれる有難い公的法人がある。
L社も、某独立行政法人が主催する、ある事業に参加することになった。投資家が集まった場で、ビジネスプランをプレゼンし、事業内容が優れていると判断されれば、資金の提供が受けられるというものである。
L社の新規事業をアピールするため、広報担当のFさんは社長に言われるがまま、資料作成などの準備で、日々遅くまで残業に励んでいた。
そんな努力が実ってか、社長の見苦しいプレゼンにもかかわらず、資金を提供したいという投資家が現れた。なんと奇特な!
まぁ環境ビジネスだの、新エネへの取り組みだの、D国やA国にも進出してグローバルに展開してるだの、中身がなくても表面上は素晴らしく見えるんだろうな。実際私もそれで騙されて入社してしまったんだし・・・
その投資家には悪いが、L社にとっては非常に有難い話である。結構資金繰りに苦労していて、綱渡りをする時期もあるし、資金援助が受けられれば経営的に建て直しも図れる。L社のどん詰まり状況を打破するきっかけにもなるかもしれない。
ある日の定例会議において、社長から上記のように資金提供の話がある旨、報告され、その報告を聞いた我々は、へぇーっと、やや驚いた。意外だったしな。普段仕事をしないどころか、会社の足を引っ張ってばかりの社長が、資金集めという経営者らしい仕事をやり遂げたことに、感心する向きもあった。
ところが・・・・・
この後続けて、社長はこう言った。
「この資金提供の話は断りました。」
はぁ???
我々の頭の中は「・・・」
全く訳わからん。
社長は続けた。
「これだけ赤字体質が続いている今の状況で、資金を受けてもどうせ食い潰すだけだ。ここは背水の陣で臨むことにする。」
自分は資金がうまく使いこなせません、と自白してるのか?
さらに社長。
「資金提供を受けると、経営に口出される。それが嫌だ」
なるほど、だんだんと本音が出てきたな。
「資金を提供してくれた投資家に対して、定期的な報告義務がある。これが面倒くさい。」
それがお前の仕事やろ! 職務放棄か!?
結局、至極くだらない理由で、せっかくの申し出を断ることになった。
しっかし、それなら最初からこの事業に申し込むなよ。一生懸命準備したFさんの労力が全くの無駄やんけ。
会議で、このことを突っ込んでやろうかと思っていたのだが、結局この日の会議は別件で大いに揉めて、それどころじゃなかった。この揉め事が私が退職する1つのきっかけであったのだが、それはまた後日。
特許侵害
商標に続いて、特許の調査。
こちらは商標と違い、ネットで検索したらすぐに出てくるというものではないが、特許庁の電子図書館でキーワード検索して調べてみたら、やはりありました。L社のソフトとまったく同じものが既に他社(K社)により特許登録済みになっていた。
明らかにL社の商品をパクッて特許にしたんだと最初は思った。社長に報告すると、案の定まったく知らずにいた。私がこの調査をしたのは2005年、K社が特許申請したのは2002年。3年間も気付かずにいたのかよ。ちょっとは自分で調べろよ。
L社とK社の間にあった過去の経緯を聞くと、元々はK社が考え出したアイディアをL社に開発委託したらしい。その後L社がK社には無断で、拡張したソフトを作って大々的に販売したそうな。
最初はK社に非があると思い、特許の無効申請を出すことも考えたが、よく話を聞いてみると、むしろL社側に問題があるんじゃないか。社長は頑として認めず、無効申請を出そうといきり立っていたが、そんなことをしても薮蛇つつくだけじゃないか。
この後、知財の専門家にも相談しながらいろいろと調べて、法的には何とかL社の方も問題なさそうという結論になった。やれやれ。
L社のダメダメぶりからすると、このソフトは割とよくできていて、それなりに私も評価していた。社長も自分で作ったんだと偉そうに言っていたが、実際は自分で考え出したものじゃなく、他社が考えたものをコーディングしただけやんけ。
商標侵害
知財活動として、まずL社の主力商品の商標について調べてみた。
とっくに超大手ガス会社が同じ商標を登録済みであった。
リリースする前に調べなかったのかよ。ネットで検索したら1分でわかるレベルの調査だぞ。
思いっきり商標侵害してるじゃないか。○○ガスにばれたら、訴訟起こされても仕方ないぞ。
社長に話してみたら、まったく知らなかったようで、素で驚いていた。
「何らかの対応しないとまずいですね」
と私が言うと、
「うーん、まぁ大丈夫やろ。しばらくほっておこう」
と言いくさりやがった。
何を根拠に大丈夫なんや?
社長曰く、○○ガスのような大手が、L社のような小さな会社に目をつけるとも思えないし、いちいち目くじら立てないだろうとのこと。
確かに今は2、3億の売上げに過ぎないけど、将来的に10億、20億にしていくんだと妄想していたのはお前やろ。本気でそう考えているんなら、今のうちに手を打っておけよ。
○○ガスも実は既に気付いていながら泳がしているだけかもな。そのうち実際に売上げが伸びてきたら、ペナルティを払わせてやろうと思ってるの かもしれない。
それにしても、わざわざ社内に知財課なんて新しく部署を立ち上げておきながら、このお粗末な対応は何やねん。
ボーナス
私が入社して最初の7月に、赤字続きのはずのL社で一応ボーナスが出た。
私も含め、新入社員は雀の涙程度であったが、他の人には一応1~1.5ヶ月程度は出たようだ。
この頃は毎月のように退職者が出ていたので、ボーナスくらい出しておかないと拍車がかかると思ったのだろうか。辞める原因は金じゃなく、自分であることに気がついていない社長・・・
社員にはボーナスは出るものの、6月くらいから役員には給与も出ていなかったらしい。ヘタレ役員Kが嘆いていた。こんな状況でどうやってボーナスを出したのか?
実はバカ社長が自分の個人名義で、消費者金融に手を出して金を借りたらしい。
会社名義じゃないだけまだマシといえようか。
しかし、そこまでしてボーナスを出す意味あるのか?
取締役会の中では、他の役員(Kと、社長の実姉のA)には反対されたらしい。
社長に言わせると、創業以来、ボーナスを欠かしたことはなく、それだけは守りたいというプライドがあるそうな。
歪んだプライドが歪んだ経営を導く・・・
ちなみにボーナスが出てすぐに退職者が3人出ました。
私も12月のボーナスが出た途端、退職表明したしな。
社長殿、頑張って高金利の借金、返してください。
オフィスの引越し
社長は大変な倹約家である。というと聞こえはいいが、つまりケチくさい。みみっちいのである。
L社で費用が発生する場合は、すべて社長か役員決裁になる。1円単位でも。私の入社以前の話だが、シャーペンの芯を購入しようと思って許可をもらったら、断られたことがあるらしい。ボールペンを買いたい場合でもいちいち上司にお伺いを立てるのである。
私が所属していた課が、京阪奈オフィスにあった頃の話。本社の方が人数少なくなったことと、京阪奈オフィスの契約期間が後3ヶ月ほどで切れるということで、京阪奈オフィスを撤退し、本社に統合されることが決まった。社長から電話がかかってきて、
「来週までに本社に引っ越してきて」
・・・
いきなりかよ。こっちの仕事の都合は無視かい!
逆らっても無駄なので、急遽引越しの段取りを考えることになった。
まずレンタカー。バンを借りれば1回ですべて荷物が運べそう。かかる費用は6300円。
それから冷蔵庫、電子レンジの処分。これらは本社にも既にあるので、社長とも相談し、処分することになった。冷蔵庫の処分は家電リサイクル法により、4830円の費用がかかる。その他、業者に引き取りに来てもらう手数料が発生し、合わせて6000円ほどかかる。
以上の費用に関して社長にお伺いを立てたところ、
「レンタカーは使わず、社用車で往復してください。」
・・・・
往復してる時間を人件費に換算してみろよ~
冷蔵庫に関しては、
「え? リサイクル法? そんなにかかるん? うーん、じゃあ処分はやめて本社に持ってきて」
「いや、本社に置いといても、邪魔になるだけですし、処分しましょうよ」
「じゃあ僕が引き取る」
そんなに6000円が惜しいのか・・・
もちろん電子レンジの処分もなくなり、お金をかけずに引越しをすることになった。
案の定、冷蔵庫と電子レンジは社長が引き取ることはなく、本社にしばらく放置された。
「そのうち持って帰るから、取りあえず倉庫にでも置いといて」
なんて言いくさる。場所代、お前の給料から引いとけ。
そもそもこいつ、リサイクル法のことを知らんかったな。一応L社って環境ビジネスやってるはずなんだけど・・・
この後しばらくして、本社近くに新たに会議室用の部屋を借りることになったのだが、この部屋に冷蔵庫と電子レンジは置かれることになった。たまに使う会議室、そこにある冷蔵庫なんてめったに使われることはなく、電気代だけ食ってる有様・・・
細かいところでケチケチせず、無駄なD国のオフィスと社宅をさっさと引き払え!
知的財産課発足
L社に知的財産課ができた。開発した技術の特許取得などを積極的に会社として行っていこうということで、知財課課長はバカ社長が兼任、その他私を含めて3人のメンバーがアサインされた。
知財課の初めての打ち合わせのときのこと。
打ち合わせの時間になっても社長が会議室にやってこない。仕方ないから社長室まで行って呼び出す。
「もう時間ですけど」
「いやぁ、後30分ほど待ってくれへんかなぁ」
打ち合わせが始まってからそういうことを平気で言うな、ボケ! 時間管理できんのか。お前が召集した会議やろ。
一度解散し、30分後に再び会議室に集まった。社長が席に着く。
「・・・・」
30秒間の沈黙。
社長=知財課課長に会議を仕切らせようと思って、しばらく放っておいたが、このまま1時間でも沈黙のまま過ぎそうだったので、仕方なく私が口火を切った。
「どのように進めていきましょうか」
社長の返事。
「いやぁ、どうしようかなぁ・・・」
やはり何も考えてなかったか。
「全然準備してなくて・・・」
いつものパターンですな。
結局この会議では知財活動の基本方針と大まかな進め方を決めただけで、無駄に時間が過ぎてしまった。
ちなみに社長は知財のことをいつも間違えて「知材」と書く。いっそ「痴罪」にすればいい。
上司は思いつきでモノを言う、とはよく言ったもので・・・
社長がD国に出張に行く直前は大変である。出発前日の夕方になって急に思い出したように、
「○○の機能を追加で開発してくれ。D国のお客さんところに行ったときに見せるから」
ってまた思いつきでモノを言うかこいつは!
急に言うな、ボケーー
計画的に仕事しろーー
「スケジュール的に無理です。今回は間に合わないけど、次回の出張までには何とかなるようにしておきます」
なんて言っても通じません。
「できない言い訳をするな! そんなこと言ってる暇があったら、どうやればできるか考えろ! やってみれば不可能なんてないはずだ」
自分の計画性の無さを棚上げです。偉そうに言う前に、自分の仕事の仕方を見つめ直しやがれ。っていうかお前がまずやってみろ。
「なんとか開発できたとしても試験する時間がありませんが・・・」
と言うと、
「試験なんか、いらない。大丈夫やろ。」
根拠のない自信でもって、試験しないまま出荷することが社長判断でOKになります。ソフトウェア界の常識を覆してます。
まぁ、こんな感じで、開発の現場に無理させて、突貫工事で開発してもらいます。
で、新規開発したソフトをD国に持っていって、お客さんの前で操作しながら見せていると、やはりバグが出たり、ソフトが落ちたり、フリーズしたり。恥をかき、お客の信用を失います。
社長が帰国して、真っ先に文句を言われるのは開発責任者の私とスタッフ。
本気で殴っていいですか?
日本2位に転落
http://www.kahoku.co.jp/news/2006/04/2006042901003029.htm
太陽光発電容量において、日本がずっと1位を保っていたのが、とうとうD国に追い抜かれたとのこと。
確かにD国での太陽光発電に対する熱気はすごかったのを実感しているが、日本を追い抜くのはもうちょっと先だろうと思っていたのでちょっと意外。日本は日本で年々太陽光発電の導入量が伸びていたし。
国の政策の差が原因ということだが、この手の事業は結局政策頼みになってしまうところがあるのが難しいところ。自分でコントロールしにくいもんな。政策をちゃんと追っかけておいて、それにうまく乗るような仕掛けを作っておけばいいんだけど。その点、さすがL社、2年前に既に先手を打ってD国に足場を作り、関連企業、団体に商品を売り込んでいます。
が、やり方がまずい。
L社のソフトはD国内の他企業に競合商品があるものの、差別化する機能もついていてそれなりに評価は高い。なのに売れない・・・
「こういう機能は欲しい。操作性をこうして欲しい」
D国出張先で、客にこう言われると、
「はい、作ります」
と安請け合い。出張に行き営業訪問するたびに、要望を小出しに聞かされ、日本に帰ってきて開発しては、またドイツに行くというのが数ヶ月周期で繰り返される。
出張代が無駄です・・・
海外展開するのに戦略ってものはないのか?
普通にマーケティングして、D国でのニーズをまとめてから売りに行こうよ。
そのためにD国に営業所を作り、社宅も借りてるんじゃないの?
たまに買ってくれそうなお客さんに、「サポートが心配。遠く離れた日本でサポートできるのか?」
と言われます。そんなときには、こう答えているのである。
「いや、D国に当社の支社があるんです。そちらでサポート体制も万全です」
なるほど。D国営業所の存在は客を騙すために必要なんやね。
最近では、D国内企業が既にL社ソフトを越える機能を持ったソフトを開発したという情報も。ダラダラしているうちにこうしてビジネスチャンスを失っていくわけね。
社長の私的コレクション
社長が仕事で使っているパソコン、Cドライブ丸ごと共有化の設定になっている。社内LANに繋げていると、誰でもPCの中が覗けてしまうのだ。メールも、経営陣だけしか知らないことになっているマル秘情報も。何故こんなことになっているのかは謎。どうも日々の言動から判断するに、ネットワークに関して知識が貧弱すぎるようだ。それともディスクロージャーのつもりだったりして。
社員の中には時々社長PCを覗き見ているやつもいて、その情報が出回ってくる。PCの中に見つかった社長のコレクションを暴露。
・社長PCの中にある大量のエロ画像。あちこちでかき集めたものが数ギガもあるらしい。
・出会い系サイトで見つけた女性リスト。
D国に海外出張に行き、帰国した後に社長が出したあるメールの書き出し。
「グーテンターク! おっとD語が出てしまった。」
アホです・・・
このフレーズはしばらく会社で流行ってました。
・L社の東京支社があるG駅の近くの風俗店リスト。
東京支社は一般のマンションの一室で、出張者用に寝室もあるのだが、どうもデリヘルを呼んで
会 社の 寝室を使ってるらしい・・・
社長が会社のものを私物化したときはお咎めないんでしょうか???
