石原"SHARA"愼一郎 official website

実はそれらは全て隣の部屋で起こってた話で、壁の向こうの声や行動があたかも自分の部屋で起こってるぐらい超リアルに聞こえた。
そのアパートの壁はメ~チャメチャ極薄かったんよ(汗)

「毎日賑やかで、部屋に1人でいるってことが無かったんで、全然気がつかなかったけど、あの目覚ましも、あのマイケルジャクソンもそんなに爆音じゃなかったのかも知れない。」
「僕らの宴会の日なんて、隣の人はまるで宴会中の居酒屋の座敷に布団敷いて寝てるような感じだったに違いない。」と思うとなんだかいきなり汗ばんで来た。

引き続き僕は隣の部屋のおばちゃんの苦労話と子供の喜ぶ声を、隣の部屋でふんふん聞きながら「大騒ぎして悪かったな~。」と反省した。

それから数日後、トイレの前の天井から水が漏れだした。
伊藤さんに連絡すると「明日の朝管理人が行くから待ってろ。」って言うゆるい話しだ。
けど水漏れはドンドン酷くなって行き、天井は盛り上がって来て変形しだしたんで、甲斐が天井に穴をあけて水抜きをしてピンチを切り抜けた。

翌朝早くに管理人さんが現れ「私が遠藤です。」って挨拶をした。

「深く考えた事がなかったけど、アパートに自分の名前をつけたんだ。」
遠藤さんの遠藤荘って言うのがツボにはまってしまい僕らは笑いをこらえるのが大変だった。
しばらくして遠藤さんは「天井からの水漏れは上の住人が水を出しっ放しにして旅行に行ったみたいで、部屋に入って水を止めたんでもう大丈夫。」ってことを僕に伝えに来た。

その後少しの間話をしたんだけど、ちょっと言いにくそうに遠藤さんは語りだした。

続く