(9/17追記 このブログは私が原作既読かつ映画未鑑賞の時に書いたもので、原作にならって書かれたので映画とは齟齬がございます。よってこのようなタイトルですが映画に関しては参考になさらないようお願いいたします。)

 

 

配慮していますが物語の内容に少なからず触れるため、ネタバレを望まない方はご覧にならないことをおすすめします。

いよいよ9/17に映画聲の形が公開となります。
聲の形はキャラクターや構成がたいへん緻密に作り込まれているので、読後または鑑賞後にただ面白かっただけで終わるにはもったいない作品です。
そこで、これから聲の形の映画を観たり漫画を読んだりする人に向けて(原作の)各登場人物のキャラクター像を書きたいと思います。この作品は人物の心情が物語の核でありますので、人物の深層心理を理解していると場面の理解がより深まって物語をより楽しめると思います。
ちなみに私は試写会に参加しなかったので17日の公開で初めて映画聲の形を観るのですが、いろいろなところで製作陣のインタビューを拝見するに監督を始めみなさんとても原作を理解、尊重して、丁寧に真摯に作っていらっしゃるようなので、映画と原作の共通点も多くあると思います。(だからこのブログもきっとお役に立てると思います。)

前置きが長くなってしまいましたが、以下本文です。
(私個人の考察ですので間違っている箇所があれば指摘してください!)

太字は克服すべき課題というか、観る際の注目ポイント的なものです。

【石田将也】
物語の主人公。小学校時代は退屈をなによりも嫌うわんぱく少年。橋から川に飛び込む度胸試しなどをして遊んでいたが、6年生になって友だちが大人になっていき、そのような子供っぽい遊びに友だちが付き合わなくなってしまって退屈に負けそうになる。そこに耳の聞こえない転校生の少女、西宮硝子が現れる。彼女に純粋な興味を持った将也は硝子に悪気のないちょっかいを出していたが、硝子が耳が聞こえないことでクラスに負担を掛けていると気付いた将也は硝子に悪意を持ったいじめをするようになる。ある日硝子へのいじめについての学級裁判で将也は吊し上げられ、その日からクラス内のいじめの対象が将也に替わる。そして将也は孤立し、みんなに裏切られたと思った将也は人間不信に陥る。いじめられる側を経験して硝子への仕打ちを猛省し、自殺も覚悟した将也は、手話を覚えて高校3年の4月に硝子に会いに行く。そこで硝子に許してもらえた将也だったが、硝子への罪悪感は消えることなく自分を許せずにいる。自分を許せない将也は硝子を命をかけて守ることが贖罪であり自分が生きていていい理由であり使命であると思っている。

【西宮硝子】
先天性の聴覚障害を持つ少女。自分のせいで周囲に負担を掛けていると思い込み、自分に関わる人を不幸にしてしまう、自分のせいで人を傷つけてしまうという自覚を持っている。そのため他人との摩擦を避けるために当たり障りのない愛想笑いが癖になっている。また、聴覚障害を含めてそのような自分への自己肯定感が低い。将也の学校に転校したときに、筆談ノートを通じてみんなと仲良くなれるように「がんばって」いたが、将也にそのノートを池に投げ捨てられたことで心が折れてしまう。将也とは傷つけてあうことでしかお互いのこえを伝えることができなかったが、それでも自分に関心を持ってくれた将也にある種感謝の思いを持っていた。

【西宮結絃】
硝子の妹。学校にも行かずに何よりも優先して姉のことを守っている。強く振る舞うために男のような格好をし、自身をオレと呼称している。将也同様硝子を守ることが自分の使命だと思い、自分は硝子の保護者役だと自覚している。食いしん坊でいつも何か食べているが、そんな結絃が食欲をなくすほどの事態が…

【永束友宏】
将也の高校のクラスメイト。強がりな性格で友だちがいないことがトラウマだったが、ある事で助けてもらった将也に惚れ込みビッグフレンドと慕っている。

【佐原みよこ】
将也の小学校時代のクラスメイト。承認欲求が強く、対価を払ってでも承認欲求を得る傾向がある。嫌なことからすぐ逃げ出してしまう弱い自分が嫌いで、強い自分であろうとするために慣れない高いヒールを履いている。

【植野直花】
将也の小学校時代のクラスメイト。将也にずっと恋心を抱いている。小学校時代、硝子のせいで将也は傷ついたと思っており、硝子をひどく憎悪している。

【真柴智】
将也の高校のクラスメイト。いじめられていた過去があり、それゆえにいじめっ子をひどく憎悪している。いじめられないために普通であることを目指し、自分が普通であることを実感するために異端な将也に近づく。

【川井みき】
将也の小学校・高校のクラスメイトで真柴に好意を寄せる。完璧主義者であり努力家で欠けたものが許せない。独自の正義感を持ち、自分が正しいと信じて疑わない。

以上主要8人のキャラクター像を書いてみました。このブログによってみなさんがより聲の形を楽しんでもらえたら幸いです。