精麻とは、大麻(おおあさ)の茎から取れた皮から、表皮など余分なカスを取り除いたものです。独特の光沢を持つ強靭な繊維で、麻と言えば、かつてはこの精麻を指しました。


精麻は、しめ縄など神事に使われていて、汚れをはらう神聖な植物とされています。伊勢神宮の宮司や巫女も、麻がなければ、神様とつながることができません。


お釈迦様は、解脱を求めて修行した七年の間、一日にたった一粒の大麻の種子のみを食べたと言われ、生命を維持する食べ物としても、愛されてきました。その他、麻のように真っ直ぐ丈夫に育って欲しいという思いから赤ちゃんに麻の葉模様の産着を着せる習慣もあります。このように昔から日本では、馴染みのある植物として、たいへん親しまれてきました。


しかし戦後の日本では、GHQの占領下において、1948年に大麻取締法が制定されてしまいました。


それまでは、日本中で大麻がたくさん栽培され、繊維産業だけでなく、医薬品などにも使用されていましたが、現在では、伝統用や産業用などに限り、許可を得た農家さんでのみ、栽培を許されている状況です。


*現在でもネットで精麻の購入は可能です。精麻で、はらうように痛みの部分に触れると、痛みがやわらぐと言われています。