開催リポート

7月21日　「デンマークの特別支援教育の現場から

～『子どもが中心』の自閉症児サポート～」

昨年に続き、デンマークの特別支援学校で、自閉症のお子さんと向き合う、タンブル有田妙さんがきてくれました。

明るく気さくな妙さんのお人柄で、会場はすぐに和やかな空気に包まれ、参加者からは率直な悩みの声が上がりました。

一つ一つの声を受け止めながらの回答は、実際に現場で様々な悩みに向き合う妙さんならではの、あたたかく力強いものでした。

中には、「『教育』という枠をこえて、人生の勉強なりました」という方も。

ブログを読んで下さる皆さまにも、妙さんのメッセージの一部をお届けしたいと思います。

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人生のゴールは「幸せ」

「人生の目標は、『幸せ』になること。『失敗』なんて何もない。」

そう思うと、目の前の「できないこと」のとらえ方がかわってきそうですよね。

それができないと、幸せになれないの？

それはそんなに大事なことなの？

「みんなと同じように」にとらわれず、「幸せ」というゴールを目指して、「今」をのびのびと過ごせること、「楽しい」と思えることを広げていくこと、安心して過ごせる場をつくっていくことを進めていきたいですね。

社会にでるというのは、豊かな人垣をつくること

「『社会に貢献する』のが社会に出るということ？

『豊かな人垣をつくること』が大事なのでは」

昨年もおっしゃっていたことです。

一人で全部できなくても、助けてくれたり、手伝ってくれたりする人とつながればよいのでは？地域や社会とつながっていくことが大事だと考えます。「地域とつながるには？」そんな質問も出ていました。

「一人でなんでもできること」より、「コミュニケーションを豊かにしていくこと」を考えていきたいですね。

今はいろいろなツールもありますよね。言葉が出ていなくても、いろいろな可能性が広がっていると感じています。

成功体験にかえる

「結果でなくプロセスをほめて。経験をポジティブにかえていって」

教室でも日頃から心がけていることです。

「相手をたたく」という行動に対して、たたいてしまった「結果」ではなく、たたくのをやめようとした「プロセス」をほめる。「えらいね、がまんしようとしたね。」と。

宿題が全部できないのだったら、「できるところまで」に調整して、「できたね」で終わる。

失敗でなく、成功体験で終われるようにするには、こちら側の見極めが大事です。

高すぎるハードルを飛べずに「無理～」で終わるか。飛べるところから「できるかも」と少しずつ、少しずつ高くしていって、チャレンジするか。

あきらめてしまうか、チャレンジに向かえるかは、こちらの設定にかかっていると感じます。

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デンマークでは、子どもは「国を支える宝」なのだ、と妙さん。

教員と同じ数のペタゴー（社会教育教育者）を配置したり、

就学前の1年間を「学校」で過ごすことで、1年生の壁を低くしたり、

卒業前に、社会にひきつぐ1年間があったりする充実したデンマークの教育環境に、「日本は…」とがっかりする声も上がりましたが、

視点を学び、できることから、一歩ずつかえていきたい

と思います。

参加して下さった皆さんと、「多様な学びをあたりまえに」という価値観を共有できたことを、本当にうれしく思いました。

多様性が受け入れられる社会に。

私自身が、多様な価値観を受け入れられるように。

身近な人に、多様な価値観を伝えていけるように。

そして、その輪を広げていけるように。

学び舎しゃんてぃを、多様な子どもたちにとって「安心する場」にしていきたい、そして、もっともっと広げていきたい、と思います。

妙さん、本当にありがとうございました！

来年もまた、帰国に合わせて開催する予定です。

次回はぜひ、会場へ足をお運びくださいね！

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