この間、自然な経済と不自然な経済について考えた後、

 

頭の中で、「腐るお金」 「腐るお金」と ぐるぐる言葉が回るので、

「お金 腐る」 と検索してみました。

 

そうしましたら、価値が減っていくマネーというものを

昔、ドイツの「シルビオ・ゲゼル氏」が提唱され、

実際に、

ドイツやオーストリアの一部で使われていたという記事が出てきました!

 

実際に、価値が減っていくお金が

使われたことがあったのですね^^♪

 

ゲゼルは、「お金は老化しなければならない」と主張したそうです。

 

 

詳しくは「ミヒャエル・エンデの遺言」に載っているということでしたので、

即購入しまして、今、読んでみました^^

 

 

エンデの言葉

 

どう考えてもおかしいのは、

資本主義体制下の金融システムではないでしょうか。

問題の根源は、お金にあるのです。

 

私の見るところ、現代のお金が持つ本来の問題は、

お金自体が商品として扱われていることです。

 

本来、等価代償であるべきお金が、それ自体商品になったこと、

これが決定的な問題だと私は思います。」

 

エンデは、ずいぶん昔に、問題の根源は、

金融システムにあることを見抜いていたのですね。

驚きました。

 

 

 

さて、価値が減っていくお金が

実際に使われていた話に戻りましょう。

 

簡単に書きますと、

 

1932年、ドイツに、

人口5000人たらず、失業者400人、

負債13億円を抱えたヴェルグルという町がありました。

 

(負債1億3000万シリング(2002年時点で、1シリング=10円)

日本円に直すと13億)

 

町は、老化するお金(「労働証明書」という「通貨」)

を発行しました。

 

この労働証明書は、毎月1%ずつ価値が下がる仕組みになっていて、

12このマス目がありました。

(ちなみに、ゲゼルは、週に0.1%、

年に5%減価することを提案していました)

 

 

例えば、あなたが1万円の労働証明書を持っていたとします。

 

1ヶ月、使わずに持ち続けていたら、

あなたは、その証明書に、

減価分に相当するスタンプを購入して貼らなければなりません。

 

1ヶ月持ち続けていたら、

100円分のスタンプを買って貼ります。

 

そうしないと、額面金額を維持できない(使えない)ことになっていました。

 

町は、このスタンプの売上を、貧困者の救済基金に充てました。

 

 

もし、あなたの手元に、この1万円分の労働証明書が来たら、

100円のスタンプ代を払いたくないですよね?

1ヶ月以内に、すぐに使おうとするでしょう?

 

ですから、非常に早いスピードで、

この労働証明書が循環しはじめたのです。

 

とても良いアイデアですね!

 

 

この労働証明書を裏返すと、

宣言文が記されていたそうです。

 

諸君、溜め込まれて循環しない貨幣は、世界を大きな危機に、

そして人類を、貧困に陥れた。

 

経済において、恐ろしい世界の没落が始まっている。

 

今こそ、はっきりとした認識と、敢然とした行動で、

経済機構の凋落を避けなければならない。

 

そうすれば、戦争や経済の荒廃を免れ、人類は救済されるだろう。

 

人間は、自分がつくりだした労働を交換することで生活している。

 

緩慢にしか循環しないお金が、その労働の交換の大部分を妨げ、

何百万という労働しようとしている人々の

経済生活の空間を失わせているのだ。

 

労働の交換を高めて、そこから疎外された人々を、

もう一度呼び戻さなければならない。

 

この目的のために、ヴェルグル町の労働証明書はつくられた。

 

困窮を癒やし、労働とパンを与えよ」

 

この労働証明書は、非常な勢いで町をめぐり始めました。

 

1ヶ月以内にこの労働証明書を使えば、

スタンプ代は払わなくて済むのですから、

この証明書を受け取った人は、できるだけ早く使おうとしました。

 

結果、紙券は猛烈なスピードで循環しはじめ、

循環するほどに、

取引を成り立たせていきました。

 

町には税金が支払われるようになり、

あまりに早く、税金の支払いという形で町に戻ってきました。

 

町の会計課の役人が、

誰かが偽札を刷っているに違いないと叫んだほど

早く戻ってきたのです。

 

町は、ビル、排水路の建設などの公共事業の資金に

紙券を支出しました。

 

すると、紙券は、賃金として工事をした人々に支払われました。

 

すると、受け取った人間は、すぐに商店に駆け込み、

受け取った店主は、滞納していた税金の支払いに使います。

 

町は再び、公共事業のためにこれを支出し、

町は、4ヶ月の間に、なんと10万シリング(100万円)分の公共事業を実施し、

滞納された税金は解消され、

税金を前納したいという市民も現れたとのことです。

 

町の税収は、労働証明書発行前の8倍に増え、

失業はみるみる解消、

 

商店は繁盛し、ヴェルグルだけが、

大不況の中、繁栄する事態になりました。

 

溜め込まれずにすばやく流通するお金が、

経済活動を何倍も大きくしたのです。

 

 

当然大きな評判となり、世界中で多くの経済学者たちが見学に訪れました。

 

見学に来た、チューリヒ連邦大学 工学士クロウド・ブルデの言葉です。↓

 

以前(一年前)は、そのひどい有様で評判の悪かった道路が、

今では立派な高速道路のようである。

 

市庁舎は美しく修復され、念入りに飾り立てられ、

ゼラニウムの咲き競う見事なシャレー風の建物である。」

 

労働証明書は、当時のヴェルグルの人達から、

圧倒的な支持を受けていましたが、

 

オーストリアの中央銀行は、

オーストリアにおける紙券発行の独占を侵害したとして訴訟を起こし、

この取り組みを妨害しました。

 

オーストリア政府は、紙幣の発行は、国の独占的な権利だとして、

ヴェルグル町の町長を国家反逆罪で起訴したのです。

 

人々は、町長を後押ししましたが、裁判は中央銀行が勝利し、

お金は回収され、

わずか1年で改革は終わりを迎えました。

 

完全雇用に近かったヴェルグルの町は、

労働証明書の禁止によって、

再び30%に近い失業率を記録することになってしまったのでした。

 

このまま、価値が減るお金、老化するお金が世界に広がっていっていたら、

今とは違う世界が広がっていたかもしれませんね。

禁止されて残念です。

 

 

価値が減っていくお金を提唱していたのは、

ゲゼルだけではなく、なんと、

 

ミヒャエル・エンデ」と

ルドルフ・シュタイナー」も、

価値がへっていくお金、

老化するお金を提唱していたことが、

エンデの遺言に書かれていました。

 

古代エジプトでも、

実際に、価値が減っていくお金が使われていたそうで

だからこそ、あれだけの栄華を極められたのだとか。

 

ゲゼルの言葉

「諸商品は老化し、サビつき、損なわれ、砕ける。

われわれが商品について語る欠陥や損失に対応する物理的特質を、

貨幣が持つようになる時、

貨幣は確実で、迅速で、安価な交換の用具となろう。」

 

 

シュタイナーもまた、老化する貨幣を提唱しました。

 

シュタイナーの言葉

健全な社会では、

貨幣は、他人の生産した財貨の小切手にすぎないのである。

したがって、貨幣が、生産活動の表象としての機能を失った時、

その所有者に対して持たなくなる方法を講ずべきであろう。

 

それについては、貨幣所有権が一定の時日を経過した後、

なんらかの手段で、社会に還付されるようにする。

改鋳や、新貨幣を発行し、旧貨幣の回収を図ることもできる

(ルドルフ・シュタイナー:「社会問題の核心」より)

 

つまり、シュタイナーの「老化するお金」は、

25年ほどの期限を設けて、貨幣の所有権が社会に戻るようにし、

自動的な調整を行うようにするということですね。

 

これを読みながら、色々妄想していたので、

今度は、妄想を書いてみたいなあと思っています^^

 

ありがとうございました♡