熊野(ゆや)松風は米の飯
春の名曲『熊野』と秋の名曲『松風』は毎日食べても飽きないご飯に例えられます。
20年ぶりに謡曲熊野のシテをお稽古しております。
この時期に熊野のお稽古をする事で
この上ない幸せを感じています。
謡っていると
謡の美しいさと桜の美しい景色が重なり
いっそう味わいが深まり
この美しい国
日本に生まれたことが
どれだけ幸せかと感じます
金春禅竹さんの曲は
ことばの美しさ
色彩の美しさが際立っています。
満開の桜が目に浮かぶ謡を一部紹介します。
雲かと見えて八重一重(やえひとえ)
咲く九重(ここのえ)の花盛
名に負ふ春の景色かな
名に負ふ春のけしきかな
花吹雪や花筏の情景が浮かぶ謡の一部を紹介します。
花前(かぜん)に蝶舞ふ 紛々(ふんぷん)たる雪
柳上(りゅうじょう)に鶯飛ぶ
片々(へんぺん)たる金
花は流水に随(したが)って
香(か)の来ること疾(と)し
日本語の美しさと
謡の美しさと
花の都の美しさが重なり
究極の美を感じます
日々味わいが深まる熊野の魅力に魅了されています。