結果と過程、どちらが大事か



古今東西

いろいろなところで話されている議題だと思います


みんなそれぞれ答えがあって

それぞれが正解だと思っています









これに対する僕の考えは

「プロとしてやっていくなら結果が大事」

というものです



当たり前で、ありきたりな答えです









今現在お笑い芸人として売れておらず

結果を出せていない僕が


「大事なのは過程だよ」

なんて言うのは負け惜しみでしかないですし

結果を出さなければ努力している過程も、誰も見てくれないし評価もされません



プロの世界は結果を出してはじめて評価してもらえます

そして結果を出して、お金を稼いでこそプロと呼んでもらえるのでしょう





ただし、プロとしてやっていない人たちはこの限りではないと思っています





「高校の野球部で甲子園出てない人は何の意味もない」



なんてことはないと思います


甲子園に出れなくても

プロになれなくても

全力を注いだ高校3年間は将来自分を支えてくれますし

共に戦った仲間はかけがえのない存在です




めちゃくちゃ綺麗事ですが

高校3年間をボクシングに捧げた僕が31歳になって感じている

間違いなくリアルな気持ちです













先日、後楽園ホールにボクシングの試合を見に行きました


高校時代、ボクシングを教えてくれた師匠

カシアス内藤さんのE&Jカシアスボクシングジム

そこに所属している先輩、カリエンテ子安さんの応援に行きました


僕の芸人活動も応援してくれていて連絡をくれる

ボクシングが繋いでくれた大事な先輩です





子安さんは

ライト級7戦4勝3敗

年齢も33歳と決して若くありません


目の怪我から復帰し

限られたチャンスを掴むために上がったリング

相手は年下の若い選手でしたが

過去最高に仕上がっている

という話を聞いていました












その日の試合結果は判定負け








記録としては、この結果だけが残ります






しかし、僕の心にはしっかりと子安さんの勇姿が刻まれました








子安さんを知らない人が結果を見ても


「無名のボクサーが判定で負けた」


としか思わないでしょう



もちろんプロとして試合をする以上

負けを正当化するつもりなんてありません

子安さんも言い訳など一切していませんでした







プロボクサーとして見た時に

僕も井上尚弥やジャーボンタ・デービスのような無敗の最強ボクサーが好きです


デービスのような

素行などの過程をアッパーで一撃粉砕するような強くて結果を出しているボクサーに憧れます








ではなぜ、6回戦の無名ボクサーの負けた試合に僕はこんなにも心を動かされたのか









 

それは過程を知っているからです






カシアスジムという小さいジムでの苦悩、試行錯誤

YouTubeを始めてみたりSNSに力を入れてみたり



普段の練習も一度体験させてもらったことがあるのですが


仮にも高校時代ボクシング部で関東チャンピオンだった僕がゲロ吐いてぶっ倒れるくらいキツい練習をしていました


(比喩じゃなく本当にゲロ吐いて倒れました)




そんな練習を毎日

しかもボクシングだけでは食べていけないので

毎日朝8時から仕事をして、仕事終わりにハードな練習をしています





カシアスジムの方々は


明るくて

ボクシングが大好きで

SNSとか宣伝が苦手で不器用で

でもとにかく情熱がある

というのを知っているからこそ


過程を知っているから

判定負けという結果にも感動してしまいます



もちろん試合内容も素晴らしく

1R目でダウンを奪った時はそのまま勝てるかも!

と興奮しましたし

後半、主導権を握られてからも手を出し続け

かなり僅差判定の白熱した試合でした








たとえ結果が伴わなくても

そこに向かう過程に情熱があれば、人を感動させることはできる、と思いました











今僕たちは毎月お笑いの主催ライブをやっています


同じように売れていない芸人さんたちに出てもらって


毎回出てくれる芸人さんと見にきてくれるお客さんのおかげで

ありがたいことにもうすぐ3周年です





ライブの出演者は全員僕らが面白いと思ってる芸人さんに直接オファーさせてもらっています


まだ売れてないけど、自分のやりたいことを貫いてる

不器用だけど個性的で面白い芸人さんがたくさん出てくれています






ライブに出てくれてる芸人さん達はみんな面白くて優しくて、そして情熱があります


器用にオーソドックスなお笑いはできないけど

自分のコレで笑わせるんだ!

という強い気持ちが伝わってきて

笑いながら感動させてもらっています


ライブ後もみんなで反省会をして

お客さんに書いてもらったアンケートを読み漁り

アドバイスを出し合っています


滑ってヘラヘラしてる芸人は一組もいません





ライブに出てくれてる芸人さんみんなの人柄とネタが大好きで

お笑いに対する情熱が素晴らしいです


みんなで売れたいし、絶対売れると思っています











でも、現実はなかなか厳しいもので



ずっとライブに出てくれてるコンビが解散してしまうことがあります


みんな芸歴10年近いので、いろいろ考えてしまう時期でもあります



ここ最近で2組から

「解散する予定です」

と相談されていて

とても心が苦しいです










「若手時代に苦労しました」


その言葉は売れた人だけが世に残せる言葉です




今苦労のど真ん中で真っ暗な道を進んでいる僕らには、この言葉すら残せるかどうかわかりません




どれだけ努力した過程も、売れずに解散したらどこにも届きません






だけど、解散する芸人に「続けてほしい」

なんて軽々と言うことはできません


どれだけ努力した末か

どれだけ悩んでその決断をしたか知っているからです



できることがあるとすれば、今までの感謝を伝えることくらいです








売れてない芸人は、いつか必ず解散してしまいます


だけど応援してくれる方の力で少しでも頑張ることができます


僕らの主催ライブ

本当に熱い芸人さんがたくさん出ているので

みんなが辞めてしまう前にぜひ見にきてください



自分のTwitterでライブの告知しております

毎月やっているのでいつか絶対きてください

後悔させません


https://mobile.twitter.com/shanimunijun









今年M-1グランプリ一回戦で落ちた僕たちは、まだ解散しません





矛盾するようですが


辞めていった仲間のためでも

応援してくれる方のためでもなく

ただただ勝ちたいからです



誰に、いつ勝ちたいのかわかりませんが

とにかく勝ちたいです




そのために恥もプライドも捨てて

どこでもライブの告知をします


ダサいと思われてもこんな文章を書きます


これで一人でも見にきてくれたら僕の勝ちです








お笑いという世界で

裏の苦労や情熱を曝け出すのは下品という風潮があります


下品というか

裏の苦労とかアピールされたら笑いにくい

恥ずかしい


という考えです






けど僕には才能も個性もテクニックも何も無いです


こうして文章にぶつけることしかできないので

下品でも恥ずかしくても書いていきます






数年前テレビ番組「マツコ会議」で

マツコさんが


「情熱って絶対人に伝わる」


とおっしゃっていました


この言葉を胸に刻んで今日も進んでおります









改めて

結果と過程、どちらが大事か

についてです






やっぱり僕は結果が大事だと思います




でも

例え今結果が出ていなくても

目標に対して情熱を持ち続ければ、必ず結果は出ると信じています



その時に、それまでの過程も評価してもらえる

その努力の過程こそが人を感動させられる






逆に言えば

情熱なくして手に入れた結果は

誰の心も動かせない






そう思いました








このブログも2023年の今じゃなく

売れた後に読まれていることでしょう





なので

今現在

「売れる」という結果が出る前の

情熱がある過程をここに刻んでおきます