流麻溝15号 2024.7.27 ヒューマントラストシネマ有楽町2 | ギンレイの映画とか

ギンレイの映画とか

 ギンレイ以外も

 中国が第二次世界大戦が終わって国共内戦を経て、台湾が成立したことは知っていても、その詳しいことも後のゴタゴタもよく分かっていない。今は落ち着いているようだが、それ以前の混乱の時期を映画でも見たことがない。大陸での大変な時期は共産党成立からずっと政権闘争ばかりで、もっともひどかった文化大革命など未だに総括も反省もない。要するに中国はその場しのぎというか、体制が維持できていれば良い、という感じで先のことはなんとかなるとでも思っているのだろう。

 

 さて台湾は中国の一地方の別な国だ。国交を結んでいる国は少ない。でも旅行にも行けるし、暮らすこともできる。大陸中国からの観光も盛んだ。現在の平和はたまたまのことか、あるいは安定した状態か。大陸中国の出方しだいで、どうなるか分かったもんじゃない。でも中国もむやみなことは出来ない。

 

 台湾と背後に控えるアメリカなどの有象無象の目がある。もちろん一番大きな対象は台湾本体にある。台湾の政治がどちらかに大きく傾くのも危険だ。しかしそれを利用することも怠らない。日本はアメリカの属国だから無視してかまわない。私は身近なまだ見ぬ台湾が今のままであってほしい。これだけを望む。

 

 中国が中華民国と中華人民共和国に分かれてしまった。いわばそれまでも国内で戦争が繰り返されてきた内戦の最後であった。こんなのはどこの国にでもあったことで、とりたてて言うほどのことではない。

 

 でも国土の大きさや人口の差は大きすぎて比べものにならない。大きな大陸にかろうじて付き添う小さな島とされ、世界からも国として認識されず、国交のある国は少ない。しかし台湾を無視することは出来ず、国交なき付き合いをしている。日本もその一つ。

 

 中国が台湾の独立を認めず、かつ出来れば中国に編入させたいと思っている。それには台湾自体の総意が必要だ。軍事で攻めるのは避けたい。台湾が手を挙げてくれれば文句なし。台湾人だって中国の動きを見ている。香港がどうなったかを知っている。

 

 流麻溝を再開させなくても情報は伝わっている。敢えて反共教育をする必要はない。むしろあの様なことに反省があるのだろう。中身は違っても強引な教育には無理がある。

 

 中国の強引さは今に始まったことではない。台湾はどうか。それはこの映画に見られる偏狭さは大陸のそれと変わらない。体制維持のために強引なことをする。真っ当で国民の支持を得る政治をすればいいだけのこと。それがなぜか反撥を買うようなことをするのは何故か。

 

 政治家が市民国民のために政治を行わないことが原因だ。ほとんどの国がそうなっていて、何も中国だけではない。もちろん日本を見れば分かるでしょう。私たちの払った税金で勝手なことしている。みんなの金を自分の金にしてるんですよ。そんなのばかり。まともな国はほぼないと言える。

 

監督 ゼロ・チョウ

出演 ユー・ペイチェン リエン・ユーハン シュー・リーウェン シュー・タオ ジャン・ユエ

2022年