東京カウボーイ 2024.6.10 ヒューマントラストシネマ有楽町2 | ギンレイの映画とか

ギンレイの映画とか

 ギンレイ以外も

 企業活動が全世界に広がり、金儲けのためなら何でもするしどこへでも行き、国や国境はないに等しい。もちろん自国の産業を守るための関税はあるが、抜け道はいくらでもある。大企業は税金は払わないし交付金までもらっている。TOYOTAはその代表。

 

 世界は資本主義社会だから、企業は資金を集めるため株を発行し、儲けの多くを株主に還元する。儲けを作った社員に出す給料は少なく抑え、内部留保が増え続ける。

 

 そんな社会は変わる。21世紀中に変化すると思う。変わる時は変わる。次世紀は素晴らしい100年になる。あるいは大失敗して滅びる。人類の過渡期が来る。それをみたい、知りたいけど無理だろう。

 

 サカイヒデキのいる会社の仕事内容は何だ。商社だろうが、物品を動かすだけにとどまらず、産地をアメリカのモンタナにして和牛を育てる計画を立てる。それがどれだけ無謀なことか、当のモンタナの牧場主やカウボーイは分かっている。自分たちになんてことさせるんだ、と怒りかつ呆れている。実状を知っているのは彼らなんだ。

 

 井浦新はアメリカ映画主演と頑張っているが、役のせいかぼやっとしていて、英語もおぼつかない感じがマイナスに思える。もちろんそういう役を演じているのは分かるけど、彼自身がこの人物に見えてくる。もっとカッコよく全てテキパキと解決する役をやって欲しかった。無理なお願いか、話がこうだから変えようがない。彼がアメリカで本物のカウボーイになれたならいいのだけれど。

 

 日本が無理な要求をして彼らを困らせている。やはり郷にいれば郷に従うでなくては物事は進んでいかない。彼らと共に何年か暮らしてみればいい。実際彼はそうして分かっていき変わっていった。相手の実態を知らずにこちらの要求だけを押し付けるやり方は通用しないことを知れ。

 

 アメリカの牧場の話で「荒馬と女」があった。野生の馬を捕まえて売る仕事の話。カウボーイは無くなることはない。牛を扱い育てることは無くならないからだ。

 

 カウボーイは具体的に何をする人たちだろう。馬や牛を飼う。酪農家も含まれる。何かイメージが限定できない。飼う牛を和牛に変え、高級食肉にして売る。そもそもアメリカで和牛が商売になるだろうか。食べるビーフは今まで食べてきたのでいいと思ってるんじゃないか。和牛がうまいのはわかっている。でもそれは和牛の本場で食べるものだ。観光に来て食すものだ。正式に和牛と名のれない和牛もどきに高い金は出さないだろう。

 

 日本の商社が狙った商売は外れるに決まっている。失敗するであろうプランは失敗に終わる。彼が人間的成長をすれば仕事での失敗は問題でなくなる。

 

 國村隼の使い方、間違ってない? 彼は狂言回しにもなっていない。

 

監督 マーク・マリオット

出演 井浦新 ゴヤ・ロブレス 藤谷文子 ロビン・ワイガート 國村隼

2023年