中国では日本の取締役会に相当する会議として
董事会というものがあります。
私の勤める日中50:50の合資会社だと
董事(董事会に参加するメンバー)の比率も半分ずつで、
私の勤める会社は、日中各5人の董事で構成されています。
董事会の前になると日中の関係者同士が、
会議での議題や報告事項を確認し合って、
本番の会議がなるべく円満に終わらせられるように
事前の打ち合わせを何度も行います。
なかなか双方の理解が一致しないことの1つに、
報告書の見せ方があります。
報告のポイントが違うんです。
聴く側の考え方がそもそも違うから仕方ないんですけどね。
日方は、お客さんからクレームがあっても、
従業員全体で品質作り込みに取り組んで、
しっかりモノづくりをして、地道に現場力アップしていきたい。
それをするためにどういう体制で
どういう取り組みをしていきたいと報告したい。
でも中方は結果に注目するので、
どうしてこの顧客からこんなクレームが来たのか、
利益達成率がどうしてこうなったのか、
それに対する具体的施策は何かが焦点。
悪化していることがたくさんあっても
数ある指標の中で向上、改善しているデータを使って
こういうふうに結果を出してきたといいことだけを言いたい。
会社が中国にある以上、出資比率が50:50でも
いろんなことが中方寄りにならざるを得ないんですが、
それが日方にとって納得できない、理解できないことも多く、
モメ事となってつまらない議論が続く。
通訳である私はそれに借り出されます。。。
私は在中歴も長いせいか、
日本側の言っていることが理解できないときがあります。
駐在さんたちが本社を納得させるために
すごーく苦労されてるのは解るんですけど、
会社が中国にあって、働く大半の職員が中国人で、
予想不可能な変化が常に発生することを考えると、
理解→許容→承認してあげないといけないし、
スピードなどが必須なんでね、
本社側のこだわりが中国側にとって障害となることもある。
(いいときにはもちろん歯止めになるんですけど)
会社でのモメ事を旦那に話すと、
彼はやはり中国側の意見に立ちます。
私は中立の時もあれば、日本側の時も、
中国側の時もあります。
中国人たちの育った背景、培った経験―
日本側がこういったことを理解すると、
中国との仕事がやりやすくなるかも。
この国の人って大半が経験の浅い人、
つまり本国を出たことがなく、
視野が狭いというか、見聞に乏しいところがあります。
文字でうまく伝えられないのですが、
そういったことを知っておくだけで、
少なくとも「え、何で?」と思うことが減りますよね。
中国で生きる上での知恵の1つだと思いますが、
いかがでしょうか?