「秘(まるひ)色情めす市場」☆☆☆☆を観て。 | また上海勤務の上海十月日記

また上海勤務の上海十月日記

7年ぶりに上海にまた勤務となる上海十月です。映画中心のブログになります。

田中登の代表作。大阪西成を活写している。全編モノクロでラストだけパートカラーの日活ロマンポルノ。以前から思うがどこにロマンが???という映画。ATGとの提携作品にしようと思っていたというのも頷ける、作家性の強い映画であり、田中登の画面構成が見事だ。画面に漂うのは、外の世界に出れず内向きな世界でうごめいている人々の話だ。外に連れ出そうという人が出ても西成にとどまらざる得ない人々。頭が弱い弟と体を売って稼ぐしか考えていない母親という不幸を絵にかいたような主人公。その閉塞感が全編に漂いある意味、清々しさも感じる作品。