監督が丁梓光で脚本が水阡墨と王雄成で全40話。監督脚本ともに《以家人之名》チームですね。


 粗すぎるあらすじ


北京にある外資系高級ホテルでフロントマネージャーとして働いていた许红豆(刘亦菲)は



親友の陈南星(吴倩)を病で突然亡くしたことをきっかけに


仕事、さらには人生の意義や目的を見失い、仕事を辞めて雲南の大理に自分探しの旅に出ることにする。



そこで同じように何かから逃れるようにロングステイする仲間や



北京の投資会社の仕事を辞めて故郷の大理に戻り、観光での地元再生を目指す



谢之遥(李现)と出会った许红豆は、村や村民、そして民宿で出会った仲間に癒され、励まされ


新たな目標を立て再出発する勇気をもらい、今後人生のパートナーとなる谢之遥と想いを通わせていく。




 感想


《去有风的地方》は視聴者に癒しを与えてくれると感じるドラマ。


一般的なドラマと比べるとものすごくテンポがスローで、びっくりするほどの大事件があるわけではないけれど


ひょっとしたら誰もが、もしくは身近な誰かが経験しているであろう挫折や苦悩を大袈裟にしすぎることなく描いていて、それぞれの気持ちに視聴者がストレスなく寄り添うことができます。


そして

大理の素晴らしい背景があってこそこのペースが心地良く感じられるのではないかと思うのです。本当に暖かい癒しの風が吹いてそれぞれのキャラと共に静かに前向きになれるようなストーリー。


テーマが「slow」であることはセリフからも読み取れます。例えば


现在这个世界上,慢慢来的东西越来越少了,什么都越来越快,快节奏的生活让人焦虑甚至迷失,忘记了生活本身。

(簡易訳:現代社会は何にでもスピードが求められるけれど、そんな生活に人は焦り果ては自身を見失い、生活の本質を忘れてしまう)


なんて台詞もでてきたり。


物語の舞台となる大理は行ったことがあり(といっても20年以上前)、その時からすでに海外の人にも人気な町だったと記憶しています。外国人がおしゃれカフェとか経営してたし。


古くからの町並みを残している大理は本当に素敵な場所でものすごく気に入って、今でもその景色を記憶しているほど。陽の光の明るさや空の青さも北京や上海とは全然違う。


現在は総人口のおよそ半分52.7%が少数民族のよう。以前よりだいぶ比率が減っているようです。

藍染、刺繍、木彫りなどの伝統工芸や民族舞踊などの特色もドラマ内でしっかり見ることができます。雲南料理食べたいな〜。


そうそう、许红豆の姉が大理で高山病らしき症状を呈していましたね。大理の海抜は2090m。大理と同じ雲南省の昆明にも数回行きましたが昆明は1892mで、幸いどちらでも高山病にはなりませんでした。


ちょっと調べたら海抜2000mってちょうど境目くらいの微妙なとこなんですね。ならなくて良かった。


大理でもうひとつ。確かドラマでも「海辺」ってセリフが出てきたと思いますが、正確には「洱海」という淡水湖のこと。日本語だと湖畔になります。


じゃ、ストーリーと演者さんに移ります。


別に恋愛だけが主題だったわけではないんだけど

主演の2人、お似合いすぎる。今まで見たcpの中でもトップレベルに感じがいい。


李现の少年っぽさを残した男らしさがズルい。身材と顔の雰囲気のバランスが抜群にイイ男、それが李现。


そこに刘亦菲の可愛らしさを残しつつな、大人の女の余裕と色気が見事にマッチ。刘亦菲の喋り方と声、ほんと好き。


あ、ワタクシこのドラマの刘亦菲を見るとちょくちょく「髪は女の命」って言葉が浮かんできます。


また李现が演じる谢之遥のキャラが「志を持って故郷に戻り、故郷のために起業する、借金抱えた発展途中の社長」ってとこが素晴らしいのよ。


ちょっとやそっとじゃ倒れないへこたれない、オスみがあって色っぽいんだわ。

相手の気持ちや立場を思いやる、あの直球の告白も素敵♡うーヤバイ、今まで見た李现の中で1番カッコいい‼︎


成熟した男女を感じさせる2人の間に流れる誠実さとユーモアに、見ているこっちもドキドキキュン♡こんな素敵な大人cpがドラマ内に現れたのは久々。


あえて画像載っけないけど、李现のバックハグと刘亦菲の制服コスプレがそらもうエロくて。


↑ただ、実際の映像はその後のはっきり描写はなくていつものぼんやりしたやつなんだけど、今回は雰囲気がオトナなのよ


红豆の元職場はウォルドーフ・アストリアでした。ヒルトンの最上級ブラントで日本にはまだ開業なし。上海だと外滩の超一等地にあって、クリスマスの時期になるとホテルの外でホットチョコレートを販売していた(現在は不明)。


男女主以外のキャラも、それぞれの苦悩を癒し再生していくというお話になっていますので、視聴者もゆったり前向きになれます。


長くなっちゃったので、最後にまた2人だけさっと記録しておきましょうかね。


才能がないのにミュージシャンになる夢を諦めきれない胡有鱼に牛骏峰。

牛骏峰は子役出身で京劇俳優、俳優、楽器、歌、と万能。テレビ俳優に限って演技を見ても、どんなキャラもこなされてますし、確か書もお上手で。


今回はそんな牛骏峰の弾き語りたっぷりご覧いただけます。


このドラマで最も癒しを与えてくれたのが谢之遥の祖母(吴彦姝)←あくまで個人的感想

とびきりかわいいの♡嬉しいとぴょこんと飛び跳ねたり。


ただ昔ながらの手厳しいの面ももちろんありまして。台詞を噛み締めたいドラマでもありますので谢阿奶に関する台詞も一つ。


不好好读书,以后社会上的巴掌比奶奶的巴掌更痛。

(ちゃんと勉強しなければ、社会に出てから食う打撃は祖母のビンタよりもっと痛いんだから)


私は決して体罰肯定派ではありませんが、阿奶のそれは愛のある「叱り」なのかもしれませんね。


人は癒しを求めるべきで、たまにはダラダラと過ごすことが良いというドラマではなく


そんな時がたまにはあってもイイけれど、いつかは何か目的を持ってしっかりと自立した人生を歩まなければならないと諭すようでもあった《去有风的地方》


オススメ致します。