監督が赵锦焘で脚本顧問が李晓明の全24話。台湾ドラマ《1006的房客》のリメイクです。
このドラマ、単なる恋愛ドラマではなくサスペンス要素も結構詰まってましたので、あらすじはドラマの入りだけ書いたつもりですが、感想ではもう少し具体的に触れていますので以下立ち入りご注意ください
登場人物とあらすし
不敗神話を持つやり手の弁護士である何正钰(杨旭文)は、プライドが高く冷静で、感情がほぼ表に出ない絵に描いたようなエリート弁護士。
親友で女優の伍吉榕(右:王萌黎)と姜盛豪(中:代高正)夫婦の離婚訴訟が不調に終わったことで、パートナー弁護士として働く事務所と事務所が借りていた高級マンションから追い出されて引っ越しを余儀なくされてしまいます。
失意の中新たに入居したその部屋で夜ワインを飲んでいたら
突如見知らぬ女性と雑多なものが現れ「私の部屋に変質者がいる!」と大騒ぎになるが、一定の時間が経つとその女性と彼女の持ち物だと思われる一切が消えてしまいます。
何度か同じことが繰り返されたのち、現在何正钰が住んでいる部屋に4ヶ月前に住んでいたのが
熱血ニュース報道記者である陈嘉岚(向涵之)で、なぜか毎晩4ヶ月という時間を超えて部屋が融合していることに気付きます。
そして、2022年1月に住み始めた何正钰と、その4ヶ月前の2021年9月の陈嘉岚が同じ空間を共有できる時間は、夜10時6分からきっちり46分間であることも分かってきます。
何正钰が事務所を出る原因になった離婚訴訟を始めないようにするため
吉榕の夫盛豪の幼馴染でもある嘉岚と何正钰の2人は、4ヶ月後の知識を使って協力していくうちに
お互い惹かれあい46分間と言う短い時間ながらも付き合い始めますが…
4ヶ月前の陈嘉岚は「明日の朝、4ヶ月後のあなたの部屋を訪ねるわ」と言って一向に訪ねてくる気配がありません。
なぜ彼女はいつまで経っても現在の自分の前に日中姿を見せないのか?
その理由を調べた何正钰は2022年現在の陈嘉岚が、あの離婚訴訟の日の夜に交通事故に遭い目が覚めぬまま病院で横たわっていることを知ります。
愛する陈嘉岚を救うため奔走し始める2021年と2022年の何正钰は、運命に逆らい陈嘉岚の未来を変えることはできるのか?
感想
陈嘉岚と出会う前の何正钰は、とんでもなくプライドが高くて自信家で人におもねるなんてもっての外な弁護士だったんだけど
その何正钰が、陈嘉岚の明るさやひたむきさに感化されてどんどんと素直に自分の気持ちを表現するようになっていくところがとても可愛らしい♡
自信家で少し傲慢にも思える敏腕弁護士が1人の女の子のために一生懸命になり、少しずつ笑顔が増えていきます。
そして、何としても陈嘉岚を救いたい何正钰の必死の行動が視聴者をじんわりと切ない気持ちにさせるんです
。゚(´つω・`。)゚。
2021年と2022年の何正钰がお互いに連絡を取れるようになってからは
2人で協力しあって運命に抗おうとするんだけど
4ヶ月前の何正钰も
陈嘉岚を好きになっていくんです。でも陈嘉岚が愛しているのは4ヶ月後の自分…
この設定がまた切ないんだよなぁ
同じ何正钰なのに、4ヶ月後の自分には絶対になれないもどかしさ。
《唐朝诡事录》の記事で地味に応援していると言っていた杨旭文は、お顔やスタイルは完全に「我的菜♡」なんですが
ちょっと演技が硬いとずっと思っていまして。でも何正钰の一途に愛して、不器用ながらも優しく相手を包む感じにはハマっていて
2021年と22年の、同じだけど同じではないという微妙な違いを見せなければならない難しい役もシックリと。
女主の向涵之のドラマは初完走!(リタイアしたのも、向涵之が理由だった訳ではなくたまたま)回を追うごと輝きを増して。個性的な可愛らしさのある魅力的な女優さんだなって改めて再認識しました。
最初はこの2人のケミどうかなって思ったcp感も、途中からは思い入れが過ぎて最後幸せになりますようにと応援する気持ちが強くなり、いい意味で疲れちゃうくらい良かったです。
途中から頻繁に「熵增熵减」って言葉が使われています。熵はエントロピーという意味だそう。そう言われても難しすぎますね。
ドラマ内ではコップの水とその水を凍らせるための冷凍庫に使われる電力が例えとして使われていますがこれも分かりづらい。
誰かの難を取り除くためには、その難を起こさないためのエネルギーが新たに必要で、その必要なエネルギーとは他の誰かにとっての「難」である
すなわち「一命抵一命」なのではないかと3人(21と22年の何正钰と陈嘉岚)は気付きます。
だから2人(22年の何正钰と陈嘉岚)は自分がその難を引き受けて相手を生かそうと、お互い相手を守ろうとするんです。その必死さに心打たれるのです。
で、結末ですけど、こういう時空融合とかはやっぱりオチが難しいですよねぇ。でも突っ込んだらいかんのですよ、きっと。
2021年の2人はheで2022年の2人はbeってことでいいのかな⁈深く考えずに素直に喜ぶのが正解ですね。
最後「?」となったものの、私はこのドラマすごく好きです。途中からは2人の行く末が気になって毎日更新待ちして楽しみに見ていました。
キュンとジーンとハラハラのバランスが良くて、しっとりとした切ない恋心が見られます。
久々に現代恋愛ドラマを夢中になって見たかも。(我的卡路里男孩は青春学園ドラマなので別枠)
さて2022年の爱奇艺の恋恋劇場は
この5タイトルで終了だそう。ワタクシが見たのは《苍兰诀》と《我的秘密室友》の2本。
今のところ他の3タイトルは見る予定なしです。
で、この《我的秘密室友》で今見ている大陸ドラマは一区切りとなりました。ということで、続けて書いた視聴日記もコレで一区切りです。
空いている時間にオリジナルの《1006的房客》を見ることがありましたら、その時はこちらにひっそりと追記する事といたします。
※2022年10月29日追記
台湾ドラマ《1006的房客》観ました。
やっぱりオリジナルの方がストーリー展開は楽しいですね。ただ、最後は「かなり強引に持ってったな〜」と思う収め方。
比較してみるとハラハラしたと思ってた大陸版は、かなりマイルドな展開ではありました。
特に
男主の弁護士柯震宇(李國毅)の助手である周大军を许光汉が演じているんですけど、重要な立ち位置のこのキャラは、大陸版では優秀な助手というだけの扱い。
検察官や先輩ニュースキャスター設定だった男2はどちらも男主の恋のライバルとして弱いことは共通していますが、大陸版は男2と言うにも足らない程度に弱いので、存在感薄かったですね。
比較すると男主以外の男性キャラの存在感がとにかく薄かったのが大陸版という印象。
こういう感じで笑いを取ろうとできるのは、台湾ならではかもしれません。
主演の2人は大陸版が好みではあるんですけど、オリジナルの李國毅と谢欣颖は見れば見るほどハマっていくというか。
最終的に「トキメキが止まらない…」とはならないけれど、2人が幸せになれそうで良かったなとは思うラストでした。
ところであのラスト。大陸版とは逆に過去の柯震宇が犠牲になったってことなんでしょうか?この手の時空モノはやっぱり解釈が難しいです…