監督が易军、脚本が徐燕と陈瑶で前30話(と番外編1話)原作はなく、オリジナル作品だそうで。


ただ、覆流年は最近の漫画でよくある時間遡り復讐モノなので、ものすごく目新しいという感じではありません。


先の人生とどう違ってくるかを楽しむドラマでもあるので、あらすじは知らない方が楽しめます。


以下、一応遡り後には詳しく触れていないつもりですが、立ち入りご注意ください。


 登場人物&あらすじ


苏城の豪商の長女陆安然(邢菲)は


偶然出会った貴族のボディガード穆泽(经超)と恋に落ちる。


そして結婚を決める時に、ボディガードだと思っていたその人は

実は王朝の第二王子庆王(经超)だったことを知る。


自分は心から愛されていて、幸せな結婚生活を送っていると思っていた安然だったが、側室の陰謀で息子を失った辺りから、その幸せは崩れていき


庆王が皇帝になると、お家取り潰しのうえ、一族を皆殺しにされてしまう。



10年の結婚生活で相手に愛を注いだのは自分だけで、庆王は利益のためだけに自分と結婚したと知った安然は


深い後悔と恨みの中、火に焼かれてその一生を終えた…と思ったら


なぜか結婚前の成人のお祝いの前日に戻ってしまう。


そして、自分の記憶どおりに登場する人物や繰り返される出来事。


前世で常に自分の味方になってくれていた


九皇子の齐王・穆川(翟子路)も予定通り登場。

前世の記憶を持ったまま新たに始まった安然の人生は前世を繰り返すのか、それとも新たな道を切り開くことができるのか?


な物語です。




 感想


このドラマ、面白かったかどうかと聞かれれば面白かったと答えると思います。


しかし、なんとなく心の座りが悪いドラマでもあったんです。


まず、大前提として単純に時間を遡ったのか、それとも遡ると同時にパラレルワールドに移ったのかがはっきりしていません。どこかで説明ありました?


結末を見ると、パラレルワールドなのかなぁ?って気もしますけど。


前世は運命だと思った庆王穆泽との出会い。

今生では仕組まれたものだと知っているから、そう簡単に安然はなびきません。


それだけでなく、何としても結婚を回避しようと策を巡らせますし

前世では義弟だった穆川の気持ちを知って、思いを通わせていきます。


で、見ていてどうにもスッキリしなかった理由ですが


本人は真剣で必死だけれど、自分や家族の幸せを優先するあまり他人の人生を弄んでいるようにも見えてしまうところだと思うわけです。


未来を知っているからなんとか不幸を回避しようとするけれど、その結果

幸せになった人もいれば、思わぬ人物が不幸に陥ったりもするわけですよ。


誰かを幸せにしようとすれば、誰かのことを不幸にすることになるし、そうして運命を弄べば自分にも良くないことが跳ね返ってくるわけなのです。


その上登場人物のキャラも、安然が「こういう人だ!」と思っている通りの人もいれば、そうでない人もいるっぽいんですよね。


例えば庆王の穆泽とか。前世では表面上は良い夫なのに、実は冷静で無情。権力のためならどんな犠牲も厭わないし安然への愛も偽装←と安然は恨んでいる

今生は冷酷で暴力的、母の死に関するものすごいトラウマ抱えて生きていているのは同じでも、


安然に対する愛(執着)は、遡り前とは少し違う心からのものだったようにもワタクシには見えました。


でも安然は前世と同じ穆泽としてしか見ていないので、その変化には気が付かずにどんどんと拗れていくのが見ていてもどかしいというか。


変わったと言っても冷酷で権力命のところは変わっていないから、安然が頑なに拒む気持ちも「そりゃそうでしょうね」とは思うけど


今生は穆泽の心の闇もクローズアップされているから単なる嫌なヤツにはならず、視聴者的にはちょっと切なくなっちゃうのよねぇ。


穆泽を演じた经超ももう30半ばですか〜。いや、なんか葛藤を抱える役がお上手で、こういうキャラを演じているのを度々お見かけしていますが


毎回どちらかと言えば悪役のはずなのに、なぜか同情してしまう、視聴者に深い印象を残す演技がさすがです。

穆川役の翟子路、この役すごく似合っていたと思います。権力に興味はなく、ただ天下泰平を願う心正しい皇子の無欲で優しい感じがピッタリ。


で、かわいかったので《覆流年》から《我的卡路里男孩》で翟子路を堪能中。卡路里の方が気楽♡


さて、本編のオチは決してheとは言えないかと思いますが納得の終わり方。そしてそのオチから5年後を描く番外編は現在別料金で見られるようになっています。


なんだかんだ言いつつもリアタイはしていた、せっかく時間遡って生き直すチャンスが与えられたのに、なんだか救いがないなぁ…と感じる古装《覆流年》だったのでした。