監督は张开宙で脚本が未夕で全36話。未夕の同名小説が原作で、正午阳光が制作しています。


↑監督と脚本と正午阳光で、安定感あるというか期待が高まる組み合わせ。


张开宙は《欢乐颂2》や《知否知否应是绿肥红瘦》などを撮っていますし、未夕は記憶に新しい《山海情》の脚本家の1人として今年の白玉兰奖の最優秀脚本賞にノミネートされています。


乔家の子供たちと父

なけなしの給料を博打に使い、家にほとんどお金を入れない。どこまでも自分勝手で怠惰(自分は食べても子供達は飢えさせているような人間性)な乔祖望(刘钓)を主とする乔家に生まれた


長男の一成(白宇)


三男の七七の出産時に母が亡くなり、それ以来幼いながらも時には父親の代わりとなって兄弟を支えます。


次男の二强(张晚意)


お勉強は苦手だが料理が得意で善良で寡黙。最初に就職した工場で自分を指導してくれた女上司(既婚)に秘めた想いを抱え続ける。


長女の三丽(毛晓彤)


幼い頃のトラウマから男性が苦手。あまり自分の気持ちを表に出すことがなく物静かだが、兄妹の中でも特に芯が通っていて、こうと決めたらひたすら努力して貫き通す強さがある。


次女の四美(宋祖儿)


中学校卒業も危ういほど勉強が苦手で興味が美容に全振り。かならず超イケメンと結婚するんだと幼い頃から心に誓いを立てている四美。


姉の三丽とは正反対の自由奔放な性格で、外に放つパワーは良くも悪くもすごいものがある。


三男の七七(周翊然)

赤ん坊だった七七を持て余した乔祖望が妻の妹の家に養育を依頼。優しい叔父と従兄に実の家族のように育てられたものの、正直どちらの家族にも属していない気持ちでいるし、来世こそ従兄と実の兄弟で生まれたいと心から願っている。

南京に暮らすそんな乔一家の、1970年後半から20005年までのおよそ30年間を描いた物語が《乔家的儿女》です。
この子達が苦難の中でも逞しく成長していき

大人になって
結婚したり、離婚したりで
こんな感じに。

兄妹5人のうち4人が1度離婚してますので、人間関係は実際はもっと複雑です。


感想

見てますって書いてから、ずいぶん時間が経ってしまった《乔家的儿女》


こういうドラマは面白いんだけど、見る側もエネルギーが必要なんですよ。登場人物の苦難を見るわけですから。


さらにはその苦難を生み出す、坏人!と言いたくなる人物が多数出てきますので、何度も'"負"エネルギーを受けないといけないんです。


でも、−があるから+をより清々しく感じられるので、苦しみはドラマでは必然なんですけど


正午阳光の作品に出てくる負の人たちって、現実のキワッキワに実際にいそうなキャラ出してくるから、余計にイラっとするというか。ホント上手く作ってるわ〜。


恋愛ドラマを見る熱量とは全く別のものが必要なのでエンジンが掛かるまでちょっと勢いがいるんだけど、気分が乗り始めたら面白くてあっという間に見終わりました。


《都挺好》とかがお好きだった方には特にオススメ。個人的にはこっちの方が心の負担が少ないという点で好きかも。(どっちもクズオヤジだったが、乔祖望の方がまだ可愛げがあったし、家族内で酷すぎるのが1人しかいなかったから)


全員が個性的で、どの人物にも肩入れしてしまったけれど、今回も絞って2人。まずは

またしても白宇に泣かされた…(少年期を演じた郭紫铭くんと黄毅くんにも)


本当にお上手ですよね。もともと若々しいタイプではないから(それがこの方の味になっていると思う)、今回幼い頃から一家の大黒柱にならざるを得なかった、老成した様がピッタリはまって余計に涙を誘うんです。


面子にこだわりすぎると言われていた大哥の一成だけど、「完璧な家族」を渇望していたのかなぁ、なんて思うんですよね。


あの父親のようにはならない、自分が家族を守らなければと思い込むことで自分を奮い立たせていたと思うのです。本当は逃げ出したかったはずなのに。


だから結婚離婚や再婚、兄弟たちの苦難などの挫折を経てなお、全てを自分1人で抱え込もうとするんです。

(´;ω;`)


「1人でそんなに頑張らなくてもいいんだよ」と慰めたくなる…


もうお一方


二强を演じた张晚意。自分の感情を表すのが不得手で、なんとなく生きるのに不器用な感じがよく出ていました。


実は出演作《我的真朋友》が近所で撮影されていて、偶然ご本人を遠くからですがお見かけしているんです。(この時の画像はドラマの記事に)


その時に撮影スタッフに「あの俳優さんって有名なの?」と聞いたら「有名じゃない」という返答が。


そんな事もあり勝手にご縁を感じていて、こういった質の高いドラマでお見かけできたのが嬉しくて。


なんか当時よりスッキリした感じがします。これが代表作になることは間違いないと思いますし、今後もこういった硬派なドラマでお見かけしたいな。応援しています。


弾幕ではさんざんなことを書かれていましたが、宋祖儿が演じる四美のキャラも、羨ましいほど清々しくて生きる力に溢れていて好きだし


か弱そうに見えて、主張するべきは主張する三丽は思わず励ましたくなったし


どこにいても心のどこかに疎外感を感じている七七の切なさもグッときたしで。


他にも全員について一言書きたいくらい。


最後まで家族の強い繋がりを見せてくれた乔家。ほっとする終わりかたですし、ドラマのストーリーのみならず、セットや小道具も相変わらず時代感に溢れていて。よくこんなに揃えられるなぁ。



周深が歌う主題歌の《生活总该迎着光亮》も良くって鬼リピしてました。


正午阳光ドラマが好きだという自覚のある方には是非ともご覧になっていただきたい《乔家的儿女》なのでした。