台湾での放送時、こちらでもたいそう話題になった《我們與惡的距離(悪との距離)》英語名は《The World Between Us》


私も春先に台湾放送に合わせて見てみたんです。

が、台湾ドラマなので当然のこと俳優さん全てが台湾訛りや台湾語、さらには字幕が繁体字。

こうなるともうお手上げで泣く泣く見るのを諦めていました。

しかし先週日本での放送が始まり、1、2話を見たら早く続きが見たくなり再度腾讯で検索したら简体字になってる!

ウレシイ( •̀∀•́ )✧早速見ました。

監督は林君阳、脚本は呂莳媛。全10話。

とても面白いです。評判になったのも頷けます。

以下ネタバレにならない程度に簡単に大筋を書きますが、現在日本で放送中ですので、知りたくない方はご注意ください。

無差別殺人犯や精神疾患が原因で犯罪を犯してしまったなどの刑事事件の犯人弁護を行う人権派弁護士の王赦(吴慷仁)。

兄の李晓明が映画館で無差別殺人を犯したため、殺人犯の妹になってしまった李晓文(陈妤)。事件後に母のたっての願いで名を李大芝と変え親とは接触を断ち、世間の目から逃れ別人として生きることにします。

しかし李大芝が就職して働き出したテレビ局のニュース部で上司となった女性、宋乔安(贾静雯)が兄の被害者となってしまった少年の母であることを知ります。

名を変えても事件の影から抜け出すことのできない李大芝。

宋乔安(贾静雯)     刘昭国(温升豪)

刘昭国宋乔安の夫婦は息子の死から立ち直れず、夫婦仲も危機に瀕し、娘との関係も悪化の一途を辿っています。

李大芝の間借り先の大家さんの应思悦(曾沛慈)。善良で楽観的だが、弟の精神疾患が判明し苦悩します。

李大芝李晓明の妹だと知っても変わらず味方でいてくれる、李大芝にとっては姉のような存在。

このドラマでは

"犯罪者を守るのか!"と非難される弁護士と、被害者を我が身に置き換え夫に対する気持ちの持って行き様に戸惑う妻

犯罪者とその家族

そして、被害者とその家族…

上記3者を描きながら
報道する側の良心や精神科医と医療のあり方、さらには発信する側だけでなく、マスメディアから情報を受け取る側の姿勢をも問うています。

それぞれの立場や思いが全10話に散りばめられ、その時々でそれぞれの立場に思いを馳せてしまう社会派ドラマ。

犯人が死刑になったからといって、悲しみや怒りが尽きるわけではない被害者の気持ちはもちろんのこと

加害者の家族としての苦悩や、加害者の弁護をする弁護士の理想ややるせなさが逐一胸に迫ってきて心苦しくなるのです。

犯罪そのものではなく、犯罪が起こった後を深く探るという"答えの出ない"難しいテーマを扱った《我們與惡的距離》

何より演者さんの演技が素晴らしくて、全ての人物に感情移入してしまいます。特定の誰かの演技がということではなく、芸達者なプロ集団感がスゴイ。

硬派なドラマをお求めの方

ぜひぜひご覧くださいませ