ジャイアントパンダは白黒だけだと思っていましたが、最近のニュースで茶色と白のパンダもいるそうですね。

 

茶色のパンダ。2013年8月のCCTVのニュースから。2013年にはすでに報道されていたようです。セピアパンダともいうようです。

 

下記はフジテレビのニュースサイトから。

「茶色いパンダ」が人気集める 中国・陝西省
フジテレビ系(FNN) 10月17日(月)15時26分配信
中国・陝西省で、「茶色いパンダ」が人気を集めている。
気持ちよさそうに横たわるパンダ。毛の色が「茶色」と「白」で、とても珍しい。
これは、中国・陝西省で、「茶色いパンダ」として人気を集めている7歳のジャイアントパンダ。
「茶色いパンダ」は、陝西省南部などに連なる秦嶺(しんれい)山脈で、1985年に世界で初めて発見され、これまでに8頭が見つかっている。しかし、今生存しているのは、このパンダだけとされていて、貴重な存在になっている。

ニュースの茶白パンダは名前を七仔(qizi)というそうです。

 

この茶白パンダは陝西省の秦嶺山脈にだけいると考えられています。

 

普通の白黒のジャイアントパンダ(学名 Ailuropoda melanoleuca)とは別に、亜種として秦嶺パンダQinling panda (学名 Ailuropoda melanoleuca qinlingensis) が2005年に報告されました[文献1]。秦嶺パンダは骨格が普通の白黒パンダより小さめです。そして秦嶺パンダの一部に茶白パンダがいるそうです。

 

上にもあるように、記録にある最古の茶白パンダは1985年にみつかったメスで、ダンダンと名付けられました。ダンダンは普通の白黒パンダのオスとの子供を産みましたが、その子は普通の白黒の毛で生まれたそうです。おそらく茶色の体毛は劣性遺伝子の発現によるもので、狭い地域での近親交配によって発現頻度が増えたためではないかと考えられています[2]。

 

モザンビークの切手(2014)。レッサーパンダ、普通のジャイアントパンダに加えて茶色のパンダがのっている。こちらから引用。

 

ところで、かつてはジャイアントパンダは中国各地に広く生息していたようです。下の図で黒丸、白丸で示されるように、北京や上海の近くでも化石がみられるそうです。黒く塗りつぶしてあるのは現在の生息地です[1]。

 

 

いまは動物園などでしか見ることができませんが、パンダがその辺を歩きまわるのを想像するのも楽しいですね(クマがいたら危ないか)。

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[1] Wan QH, Wu H, Fang, S.-G. J. Mammal. 86, 397

[2] Nicholls H. Natute 18 January 2010 doi:10.1038/news.2010.19