日光が強くなり、オゾンの濃度が高くなる日が出ています。下記は7月24日(日)のお昼の上海市の大気汚染状況。

 

大気の質の指数が108ですね。その右の主要汚染物質がいつものPM2.5ではなくO(オゾン)です。

 

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いわゆる酸素分子はO2(酸素原子が2個)ですが、オゾンはO3(酸素原子が3個)ですね。

 

 

オゾンはもともと大気に存在し、特に地表から10-50kmの高さの成層圏にあるオゾン層は地表に降り注ぐ紫外線を減らす重要な役割があります。また、オゾンには殺菌作用などがあり、適切に用いると人間の役に立つ物質です。

 

オゾン自体は悪者ではありません。大気汚染により、過剰に発生するオゾンが問題です。地表付近のオゾン増加は人体に悪影響があります。

 

オゾンは大気汚染物質、特に揮発性有機化合物が少ないと、増加することなく量は安定しています。揮発性有機化合物は、工場や自動車の排気ガスなどに含まれる一酸化窒素や二酸化窒素を含む窒素酸化物、あるいは炭化水素などに由来します。

 

この揮発性有機化合物が多いと、アルキルペルオキシラジカル(RO2)といわれる物質が増え、これがさらに一酸化窒素と反応してアルコキシラジカル(RO)となる時に、過剰なオゾンが生成すると考えられています。この反応に太陽光(主に紫外線)が必要です。

 

ですから

・大気汚染(揮発性有機化合物)の増加

・強い太陽光

が揃うとオゾン濃度が増加します。

 

 

オゾンは目や呼吸器に刺激を起こします。高濃度になるにつれて咳やのどの痛み、めまいが起こりえます。目の痛みも起きることがあります。夏に目がチカチカする、またのどが痛くなる原因はオゾンかもしれません(オゾンによる影響の受けやすさには個人差がありますので、すべての目やのどの症状がオゾンによるのではありません)

 

皮膚中のビタミンEを破壊するため、肌に皺、あざができやくなる可能性もあり、女性は避けたいですね。

 

オゾンの害を避けるため、日照が強い(気温が上昇している)間は外出を控えましょう。特に、過敏な人は午後2時から3時の日照・気温とも最高となる時間帯には室内にいるのが望ましいですね。

 

オゾンに関する過去の記事もりブログしておきます↓。上海で行われたアレルギー性結膜炎の患者数と大気汚染および気候の関連についての研究を紹介しています。なお、似たことばですが、光化学スモッグとは、オゾンやアルデヒドなどからなる気体成分(光化学オキシダント)と、硝酸塩や硫酸塩などからなる固体成分の微粒子が混合して、周囲の見通しが低くなる(遠くがみえなくなる)大気の状況をいいます。オゾンが増加し、かつ視界も悪化する状況です。

 

また、日本では規制により揮発性有機化合物の産生・放出は減っています。しかし中国から海を越えて飛来する揮発性有機化合物やオゾンが日本の大気汚染の一因になっているのは残念です。

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