上海では日本よりも左利きの人が少ない感じがするので、周りのスタッフにその辺のことを聞いてみた。中国語では左撇子(zuo3pei1zi)というそうです。
ピンクレディーの名曲「サウスポー」(1978)。”わ~たし、ピンクのサウスポー”っていっても今の若い人には通じなくなってきた。一方、甲子園ファンには山本リンダの「狙い撃ち」と同じく今でもメジャーな曲ですね。ジャケットはアマゾンから引用。
【40歳代女性医師】
― 私の子供は左利きだった。でも小さいころから矯正して、いまは右手で字を書く。左も使えるので両利きです。
私:どうして矯正したんですか?
― うーん、なんでかな。そういう習慣だったから。
【20歳代看護師】
― いまは左利きは多いですよ。友達にもたくさんいる。親も直しません。聞いた話では、昔は左利きの子供の左手の骨を折って、無理に右を使わせる親もいたそうですよ(注:これは本当か冗談かわかりません)。
私:どうして昔は矯正したのですか?
― だって、横書きで文字を書くときに左手書きだと字がこすれるでしょ。(注:では縦書きは左利きの方がいいような気がするが、これ以上つっこまなかった)
― あと、左利きの人と並んで食事をすると、箸を持つ腕同士がぶつかるでしょ。(注:少し離れて座ればいいような気がするが、これ以上聞かなかった)
【ついでに、ネットで左利き看護師さんの記事の抜粋】
― ここ中国には左利きの看護師はいない。看護学生中すべて右に矯正されるらしい。だから、翼状針の翼は右側にしかついてないのである。素晴らしいわ。私は13億の中国でたった一人のサウスポーの看護師なーんて感動している場合ではなかった。(湖北省で働いた左利きの日本人看護師、藤村美都子さんをとりあげた人民網の記事から。ちなみに医療機器の多くは右利き用に作られています)
【ついでに私の考察】
人間は約10%(8~15%)が左利きで生まれてくるというデータがあり、地域や人種による差はないそうです。したがって左利きの少ない地域では、練習や矯正によって両利きが多いのではないかしら(よって、見掛け上、左利きの割合が減る)。
書いてみるとわかりますが、漢字は左手で書きにくいので、左利きの中国人は右も使えるように昔からしつけられることが多かったのではないでしょうか。
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左利きの中国著名人もおりますね。
温家宝さんもそうですし、アリババのジャック・マー(马云)さんも左利き。中国人でないけどオバマ大統領も左利きですね。
二人とも左手を上げたりあいさつしたりしている。温氏の写真はこちら、マー氏の写真はこちらから引用。
普通のハサミなんかは左利きの人では使いにくいでしょうね。
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なお中国では左利きの人用のSNS「右脳人」があるそうです(上)。こわくて中はみてませんが…。解剖学上、左手は右脳が動かすので、うまいネーミングです。
ゆかいな中国の左利き情報を持っている人、教えてください。