日本で新たにジカ熱の患者さんが確認されました。以下厚生労働省のHPから引用。
ジカウイルス感染症患者(輸入症例)の発生について
日本国内で、ブラジル以外の中南米の流行地域への滞在歴がある女性1名が発疹等の症状を示し、5月20日に医療機関を受診しました。(中略)
我が国でジカウイルス感染症患者が発生したのは9例目(全て輸入症例)であり、今年2月以降としては6例目になります。
○ 患者に関する情報
(1)概要
1. 年代:20代
2. 性別:女性
3. 滞在国:ブラジル以外の中南米の流行地域(6か月程度滞在。5月中旬に帰国。)
4. 症状:発熱(37.3℃)、発疹
5. 現地での蚊の刺咬歴:あり
6. 居住都道府県:神奈川県
(2)患者の状況
現在、患者は自宅療養中。 既に解熱して、状態は安定しています。(以下略)
蚊の季節ですから、さらなる流行が起きないといいですね。
今回の患者さんもそうですが、その人からさらに病気が拡散することが起きていないので、日本はいわゆるジカ熱流行地に分類はされていません。中国もそうです。
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さて、ジカ熱の実際の流行地は拡がっています。先週にはアフリカ西沖合の島国カボベルデでジカ熱の流行が確認されました。
ジカウイルスは1947年にアフリカのウガンダ(アフリカの中央、やや東側にある国)で発見されたのですが、アジア→太平洋→中南米と広がって行く間に性質が変わって(遺伝子の変異)いきました。現在南米でジカ熱が流行していますが、この南米型ウイルスがアフリカでみつかったということです。
カポベルデCAPE VERDEは北アフリカの西、大西洋にある島国。地図はこちらから引用。
図はこちらから引用。1947年にアフリカでういするがみつかり、アジア、太平洋経由で南アメリカにわたり、北アメリカ、ヨーロッパ、今回のアフリカへ広がった(図には南米→アフリカでの矢印はありません)。
大雑把にいうと、ジカウイルスはアフリカを出発して、東回りで性質を変えながら世界を一周したことになります。
人間はまだウイルスをコントロールする力をもっていないのです。医療の力も未熟です。病気(ウイルス)には謙虚に向かい合うべきですね。