アメブロのページに本日(5月17日)は世界高血圧デーと出ていますね。
これは2005年に世界高血圧連盟が制定したもので、日本でもこれにならって2007年から同じく5月17日に高血圧の日の行事が毎年企画されています。
今日の外来にも高血圧で定期受診の患者さんがみえましたが、「今日は高血圧の日ですね」っては気はずかしくて言えなかった。テヘッ
ちなみに中国は1998年から10月8日を全国高血圧デーとしています。
こちらは2014年10月8日の中国高血圧デーの活動の写真。この年は「あなたの血圧を知ろう」がテーマでした。写真はこちらから。
これはアメブロのスタンプです。
毎年、年に数名ですが、日本人駐在員のかたで、高血圧の結果とみられる脳梗塞の患者さんが発生しますので、高血圧は侮れません。一部の患者さんは命を落としています。特に単身赴任のかたは注意ですね!
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2014年の厚生労働省の調査で、日本で継続的に高血圧治療をしている患者さんは1,010万8千人いるそうです。
日本では国民の平均収縮期血圧(上の血圧)を4mmHg下げる(平成22年に男性 138 mmHg、女性 133 mmHg を平成34年に男性 134 mmHg、女性 129 mmHgとする)のが政府の目標で、血圧のコントロールが公衆衛生上の重要課題です[1]。
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中国ではどうか。ある調査では中国で26.6%の成人に高血圧を認めると報告されています[2]。このため高血圧とされる人は国全体で2億5千400万人もいると推定されていて、日本の総人口よりも多い。ただし、頻度(有病率)でみるとロシアやアフリカの国々の数字の方が中国よりも高く、中国は総人口が多いので結果的に患者数も多くなっています。
また上記の中国の調査では、高血圧のある人で治療を受けている人が36.2%で、高血圧と診断を受けている人は45%しかいない(つまり、調査すると血圧が高いが高血圧だと自分ではわかっていない人が55%いる)そうです。
世界では(中国含め)、自分が高血圧かどうかすら知らない人もたくさんいて、まず「自分の普段の血圧を知る」ことから対策を始める必要がありますね。
この図は、18歳以上の男性の平均収縮期(上の値)血圧を国別に示したもの。色が濃いほど血圧が高めの男性が多いことを示す。日本や中国は中くらいのレベルですね。世界保健機構のHPから引用。
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すでに血圧が高いとわかっている人は、日常生活管理(減塩、食事、運動、体重)と、必要な場合の降圧剤治療をがんばってください。
なお、血圧の改善があれば降圧薬はやめられる(一生飲まないですむ)場合があります。特に若い方はそうです。正しい使い方なら降圧薬は健康維持に役立ちますので、医師に相談してください。
[1]厚生労働省 健康日本21(第2次)
[2]Gao Y, et al. PLoS One. 2013;8:e65938