熊本地震はまだ大きな余震が続いており、現地の方々は大変不安に過ごされていると思います。

 

また、自家用車内や自宅外の避難所での不便な生活を余儀なくされている被災者の方も多いでしょう。

 

避難中の方は肺炎にならないようにお気をつけください。特に高齢者の方の誤嚥性肺炎は注意が必要です。またある程度予防することができます。

 

 

2011年の東日本大震災のあと、3ヶ月間ほどは、被災地での肺炎による死亡が急激に増加しました。下のグラフはその数の変化をみたものです。一番上の太線が総数、真ん中の点線が内陸地方で、下の点線が沿岸部です。地震の起きた日を中央の縦線で示していますが、その後の死亡者数の平時からの増加が明瞭です。


グラフはShibata Y, et al. BMJ Open 2016;6:e009190の論文から引用。東日本大震災では津波の影響もあったので、単純に熊本地震と比較できない側面もあります。

 

 

誤嚥性肺炎口内が不潔になり、そこで増加した細菌が気管から肺に落ちていくことで発生します。高齢の方の場合、発熱やせきが目立たず、肺炎になったことに周りの人からなかなか気づかれないこともよくあります。

 

誤嚥性肺炎の例。こちらのHPから引用。向かって左下の肺(本人の体では右)が肺炎で白くなっている。細い白い線は心電図の電線です。

 

誤嚥性肺炎の予防には歯磨きの励行がとても重要です。ただしきれいな水が十分手に入らない場合もあるでしょう。可能であればウエットティシュなどで口内を拭くことでも予防になります。

 

また、過度に安静にすることも肺炎の原因になります。散歩する気分にはなかなかならない状況ですが、寝たままでなく、時々体を起こし可能な範囲で歩行運動をしましょう。

 

避難場所の保温なども重要ですね。

 

被災者の方々の健康をお祈りいたします。

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[付記] 義援金の送り先口座はこちら(上海の日本総領事館のサイトです)。