このたびの熊本を中心とした大きな地震で被災された方々には、改めてお見舞い申し上げます。

地震そのものの物理的被害はもちろんですが、その後のストレスによる健康への影響も最小限になることを祈りたいです。

東日本大震災、阪神淡路大震災の経験から、震災後に心筋梗塞や脳卒中による死亡者が増加することが明らかになっています。大きなストレスが心臓や脳の血管に悪影響を与えるのは当然でしょう。

下は東日本大震災の被災地における、月ごとの人口10万人あたりの死亡率です。Aが急性心筋梗塞で、Bが脳卒中による死亡。これらの疾患は季節性があって、例年寒い時期に多い。

そして見てわかるように、地震のあった2011年3月は、例年の3月(棒に色をつけてある)より明らかに死亡率が上昇している。


同じく阪神淡路大震災。1955年1月は急性心筋梗塞(A)も脳卒中(B)も死亡率が急上昇している。




両方の図はTakegami M,et al. Circ J 2015;79(5):1000の論文から引用。

上記疾患に限らず、肺炎や胃潰瘍、ストレス性の精神疾患など多くの疾患が増加・増悪するでしょう。

被災者のみなさんが日常生活に早く復帰できたらいいですが、これほどの被害のあとで普段の生活を取り戻すには時間がかかるでしょう。

それまでは、少しでも安楽な避難環境保持、持病のある人への医療提供、病気の発症時の治療アクセスの確保ができることを切に願っています。
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