世界の肥満は、このままのペースで行くと増加の一途をたどる。2025年までに男性の18%、女性の21%が肥満になり、重度の肥満は男性の6%、女性の9%にみられるようになると推計されています。
一方でやせすぎ(栄養不良)の人たちも貧困国で引き続きみられるでしょう。
以上は今月発表された200の国の調査をまとめたLancet誌の論文から。以下さらに抜粋。
参考まで、肥満はBMI(=体重[kg]÷身長[m]÷身長[m])を指標にして、日本では一般的に25以上を肥満とします。だから身長160cmなら体重64kg以上で肥満です(64÷1.6÷1.6=25)。
さて、以下ではBMI30以上を肥満、そのうちで35以上を高度肥満としています。
で、中国が危ない。肥満大国に突入中。
この図は1975年と2014年の肥満者(ここではBMI30以上)の人数をみたもの(人口に占める比率ではない)。左が男、右が女。
男性では1975年1位のアメリカの座を2014年に中国(1975年は13位)が奪っていて、世界の16.3%を占めています。女性も1975年のロシアの座を2014年には中国(1975年は10位)が奪っている。もともとの人口が多いこともありますが、肥満者の増加は著しい。
さらにBMIが35以上のかなりの肥満に限ると、中国の躍進はすさまじい。男は60位→2位、女は43位→2位。なお高度の肥満者数1位は昔からずっと男女ともアメリカが死守してます。
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次は中国のBMIで分類した肥満の程度の構成比率の男女別年次推移(絶対数ではない)。男女ともうすい黄色のBMI25-30がどんどん増えてます。男性のほうがより増え方が大きい。オレンジの高度肥満BMI30-35も少ないながら着実に増加。
同じく日本。男性の肥満はじわじわ増加。ただし極端な肥満(オレンジ色)は少ない。そして女性は肥満比率がほぼ一定で、驚きます(青色のやせた人がむしろ増加傾向)。
参考までにアメリカ。黄色はもちろん、赤のBMI35-40が多くて、もうどうしようもない。
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中国の肥満者数躍進には驚くし、日本人女性の安定性(肥満者割合が増えない)にも驚きます。
ともかく、中国は今後、生活習慣病大国になりますね。