歯磨きは毎食後する方が、糖尿病やコレステロール(脂質異常症)にいいようです。
写真は浙江省諸曁市の子供たち。こちらから引用。
今年初めに、歯磨きと慢性疾患について、日本から論文が発表されました(Kuwabara M, et al. BMJ Open 2016;6:e009870)。
この研究では85,886人を対象に、毎食後歯磨きをする群[全体の45.0%]、少なくとも日に1回歯磨きをする群[全体の54.7%]、1日1回もしない(磨かない日がある)群[全体の0.28%]に分けて、①糖尿病、②脂質異常症(コレステロール高値など)、③高血圧、④高尿酸血症、⑤慢性腎疾患を持つ人がどのくらいいるかを調査しました。合わせて喫煙、飲酒、運動(歩行)、睡眠の生活習慣もみています。
この結果、生活習慣も加味すると、毎食後の歯磨きをした方が糖尿病と脂質異常症の有病率が低かったそうです。下のグラフをみてください。
上のグラフは論文中の値から当方で作成。
関連は弱まりますが、高血圧と高尿酸血症でも同様の傾向がみられました。
この研究では、どうしてこういう結果になるかまでは調べられていません。
ただし①歯周病が糖尿病や脂質異常症の原因になっているのかもしれない、②口内の細菌(P. gingivalis)が全身の炎症やインスリン抵抗性を悪くさせるから、といった理由が推測されています。
糖尿病や脂質異常症は心臓の病気、脳血管の病気のリスクとなります。
この1つの報告だけでは確かなことは言いにくいですが、毎食後の歯磨きは歯周病のみならず、健康を守るのに役に立つようですね。