今月24日に中国で6例目の黄熱病患者さんが確認されました。
今回は北京でも上海でもなく、福建省でみつかっています。患者さんは福建省福清市の42歳女性で、他の5名の患者さんと同じくアンゴラから帰国しています。3月11日にアンゴラで発熱、関節痛を自覚し、翌12日に中国に戻り、14日に医療機関を受診しています。
患者さんは現在、福州市の感染病棟に隔離され容態は安定しているようです。
この人は3月7日にアンゴラの首都ルワンダで黄熱病の予防接種をしていますが、アンゴラへ渡航前にはワクチンを打っていなかったそうです。黄熱病の潜伏期(3~6日)を考えるとワクチンを受ける時期が遅かったのでしょう。
アンゴラでのワクチン接種風景。写真はCNNのニュースサイトから。
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そのアンゴラは原油安で経済が疲弊し、ワクチンも不足しているようです。またワクチンを正しく冷やして保存することも難しいようです(中国でも不法な、室温保存ワクチンが問題になったばかりですね)。
いまでは考えられませんが、黄熱病は1900年代にアメリカ(ニューオリンズ、フィラディラフィアなど)でも流行していました。蚊の駆逐によってアメリカでの発生はなくなりました。しかしネッタイシマカは、また都市部でみられるようになっているので再燃の危険は去っていません。
幸いいままでありませんでしたが、黄熱病がアジアでも流行してもおかしくありません。しかし、アジアの人口に対応できるワクチン備蓄はありません。まったく不足です。
黄熱病は「忘れられた病気」といわれていましたがいまや「忘れてはいけない病気」ですね。