星野源ってテレビでみても、つかみどころがない俳優(歌手?)だと思っていました。

 

たまたまエッセイ集「そして生活はつづく」(文春文庫、2013年)を読んでみましたが、案外面白い。底本はマガジンハウスから2009年に出ています。

表紙はアマゾンから。

 

本人によると、この本は次のような考えで書かれたそうです。

自分のダメな部分をなんとかおもしろくしよう。おもしろがれたら、そんな自分も好きになれるかな、みたいなテーマで、自分のダメな部分をなるべくそのまま書いた本 

 

視力が悪いといった不調も彼によるとこんなことになる。必ずしも不調は解消/治療しなくていいのね。

逆に不満や不調をなるべくたくさん、自分の心や体が崩壊しないギリギリのラインで保持しておきたい。眼鏡やコンタクトをつけるストレスでさえも、私の仕事の活力になり得るのだ。

 

一番好きなくだり。

昔から、ひとりでいることが好きだった。(中略) みんなばらばらでいいじゃないか。そう思えるようになってからはずいぶんと楽になった。それまでは周りにうまく合わせられないことに罪悪感を感じていたのだけど、そのときから集団の中でひとりになることを堂々と楽しめるようになった。

そういえば上海人を見てもそう。みんな好き勝手。みんなばらばらでいい。日本人が目に見えないルールに縛られすぎているのよね。

 

独特な感性で楽しい本でした。あまりにダメさが強調された部分は読みにくい感じも受けますが、若さに免じて許してということでしょうか。

 

表紙や挿画のイラストは北村人(きたむらじん)という方が担当されていますが、味がありますね。

 

のんびりしたいときに読みたい本です。

ただし、しもネタが多いので、敏感なひとは避けたほうがいいかもしれません。

 

彼の生活同様、私の上海生活もつづくのだ。

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