歌手の島谷ひとみさんが、自身のブログで
マスクにアレルギー反応があるかも
と書いています。
画像はamazonから。「亜麻色の髪の乙女」が大ヒットした方です。
島谷さんの2016年2月8日のブログを引用させていただきます。
> 最近、マスクにアレルギー反応が少しあることが分かった私。(たぶん)
> どう防ぐかね?
> 姉の作ってくれたガーゼの布マスクにしよー。
> 高ーい!マスクも購入済み!笑
おそらく、マスクの素材に対する皮膚のアレルギーのことでないかと思います。
最近のマスクは不織布を加工して使い切りとして作ってあるものが多いです。アトピー性皮膚炎または敏感肌のある方の一部では、皮膚に接する部分の素材によって皮膚が荒れたり皮膚のアレルギーが起きたりします。またニキビがある場合も、長時間の連続使用で炎症が悪化することがあります。
マスクは素材が自分に合うものを探して使う必要があります。島谷さんのようにガーゼ素材のものに変えるのもいい解決法です。ただガーゼマスクは繰り返して使うと不潔になることがあるので、注意です。
また素材だけでなく、顔にフイットさせるための構造や大きさも大事になります。特にN95といわれるマスクはでは、大きさの選択と装着法を間違えるとマスクをしないのと同じ状態になります。
市販の状態でフィットが良くない場合、マスクの縁をはさみで少しだけ切って(切りすぎるとダメ)形を変えて使いやすくすることも考えましょう。N95タイプは切ってはいけません。
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素材以外に、マスクへの添加物やコーティングされている薬剤も問題になることがあります。
こちらは、昨年(2015年)京都大学のグループから発表された論文による、マスクにスプレーするタイプの防菌剤による接触性蕁麻疹の患者さんの写真です。目の周り、頬、口の周りが赤く腫れています。
上記の写真と下記の図の引用はこちらの論文(Iwata M, et. al. Acta Derm Venereol. 2015:95:628-9)から。
写真には目を隠す処理を当方で追加しました。
この患者さんは防菌剤がスプレーされたマスクを装用して皮膚の症状が悪化しました。
そのスプレーには「ウイルス・菌・花粉のマスクへの付着を防ぐ」目的でエトキシシラン系化合物[固定化剤]が結合した4級アンモニア塩[消毒成分]が配合されています(下図)。この成分は消毒薬としての性能として大変優れているのですが、ごく一部の人の体には合わないのです。
この患者さんはスプレーの使用をやめて症状が出なくなったそうです。ちなみにこのスプレーの成分は喘息を起こす可能性もあります。またアルコールに敏感な人も使わないほうがいいでしょう。
このスプレーはインフルエンザウイルスにも効果的で、中国の鳥インフルエンザウイルスにも、もちろん有効です。日本の薬局で売っています。
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一部の人にとって、マスクが合うか合わないかが問題になります。
皮膚のトラブルがないマスクを選んで各種の病気を予防したいですね。