この3年間の春節の前日(昼12時から)・当日・翌日(昼12時まで)におけるPM2.5の1時間あたりの濃度変化を、上海と北京についてまとめてみました。グラフを見ると面白い。
前回の2年分のまとめは(春節の爆竹がPM2.5にどのくらい影響あるかを調べてみた。)を参照。
北京の2016年2月8日は午前1時と午前4時が欠測値のため、北京市环境保护监测中心の発表したその時刻の朝阳农展馆(アメリカ大使館から離れていない)のAQIから濃度を算出し、補完しています。
<上海の今年(2016年)データのまとめ>
1.規制の効果があって、今回の春節当日午前0時のピークが存在しなかった。
2.爆竹を制限したが、たぶんその後の大気の状況で自然にPM2.5は増加と減少をみせた。
3.結果的には、今年の春節24時間はPM2.5の存在量は昨年(2015年)より多かった。
写真は2月7日の北京。今年も派手にやりましたね。時事ドットコムのニュースから引用。
<北京の今年(2016年)のデータのまとめ>
1.春節の午前1時頃から、例年同様、一気に数値が悪化した。
2.春節当日の濃度の最大値および高値の持続時間は2015年、2014年以上であった。
3.天候のせいか、春節当日午前8時頃から一気に濃度が改善した(さわやかに晴れたとのこと)。
<以上を考えると>
1.爆竹・花火は明らかにPM2.5を一時的に増加させる。
2.爆竹・花火によるPM2.5増加は長くは続かない。上海では2~6時間、北京は2~10時間程度でなくなる。
3.もともと発生しているPM2.5と気候(気圧や風)の影響が、爆竹・花火よりも長期的なPM2.5濃度を大きく左右しているようだ。
上海人の節度ある爆竹・花火なら、今年ほどは制限しなくても良かったともいえるかもしれません。
ただ、市民の健康を少しでもよくするためなら、今年の上海市の制限は成功した(可能な限り汚染を防いだ、つまりリスクを最小限にした)といえるでしょう。
結果的に今年は昨年より濃度が高くなったものの、爆竹のせいではなく、工場、車両や暖房由来の日常的に産生されているPM2.5の方がもっと悪いのですね。
ところで、一方の北京市はもっと爆竹・花火を制限しないとダメだな。

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付記:以上は私個人の考えを述べたもので、特定の団体の意見を反映させたものではありません。データ加工の責任はすべて私にあり、米国大使館に関係は一切ありません。またPM2.5の濃度変化を1時間当たりの短いスパンで考えるのは適切でないという専門家の意見もあることをお断りしておきます。
前回の2年分のまとめは(春節の爆竹がPM2.5にどのくらい影響あるかを調べてみた。)を参照。
縦軸は1時間当たりのPM2.5濃度(1立方メートル当たりのμg)、横軸は時間です。春節1日目の24時間は黄色で塗っています。青太線が今年、オレンジ線が2015年、灰色線が2014年です。
データは今回もアメリカ大使館と上海領事館発表のものです。北京の2016年2月8日は午前1時と午前4時が欠測値のため、北京市环境保护监测中心の発表したその時刻の朝阳农展馆(アメリカ大使館から離れていない)のAQIから濃度を算出し、補完しています。
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<上海の今年(2016年)データのまとめ>
1.規制の効果があって、今回の春節当日午前0時のピークが存在しなかった。
2.爆竹を制限したが、たぶんその後の大気の状況で自然にPM2.5は増加と減少をみせた。
3.結果的には、今年の春節24時間はPM2.5の存在量は昨年(2015年)より多かった。
写真は2月7日の北京。今年も派手にやりましたね。時事ドットコムのニュースから引用。
<北京の今年(2016年)のデータのまとめ>
1.春節の午前1時頃から、例年同様、一気に数値が悪化した。
2.春節当日の濃度の最大値および高値の持続時間は2015年、2014年以上であった。
3.天候のせいか、春節当日午前8時頃から一気に濃度が改善した(さわやかに晴れたとのこと)。
<以上を考えると>
1.爆竹・花火は明らかにPM2.5を一時的に増加させる。
2.爆竹・花火によるPM2.5増加は長くは続かない。上海では2~6時間、北京は2~10時間程度でなくなる。
3.もともと発生しているPM2.5と気候(気圧や風)の影響が、爆竹・花火よりも長期的なPM2.5濃度を大きく左右しているようだ。
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上海人の節度ある爆竹・花火なら、今年ほどは制限しなくても良かったともいえるかもしれません。
ただ、市民の健康を少しでもよくするためなら、今年の上海市の制限は成功した(可能な限り汚染を防いだ、つまりリスクを最小限にした)といえるでしょう。
結果的に今年は昨年より濃度が高くなったものの、爆竹のせいではなく、工場、車両や暖房由来の日常的に産生されているPM2.5の方がもっと悪いのですね。
ところで、一方の北京市はもっと爆竹・花火を制限しないとダメだな。

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付記:以上は私個人の考えを述べたもので、特定の団体の意見を反映させたものではありません。データ加工の責任はすべて私にあり、米国大使館に関係は一切ありません。またPM2.5の濃度変化を1時間当たりの短いスパンで考えるのは適切でないという専門家の意見もあることをお断りしておきます。