日本では先週くらいから、本格的なインフルエンザの流行が始まっています。例年よりも遅いですね。

上海市ではどうでしょうか。上海で流行が始まったと12月に報道がありました。特に子供の感染者が増加して、救急外来がいっぱいになっているようです。たとえばこんなニュースが出ました(中国語)


写真は上記ニュースサイトから引用。

以前のブログで、中国全体(北部と南部に分けた)の統計を載せましたが、今回は上海市だけの統計をみてみました。

上海市卫生和计划生育委员会のHPでは毎月、インフルエンザを含めた上海市での感染症の発生数が発表されています。おそらく全患者数でなく、指定された医療機関からの登録数と思われます。最新報告は今年1月14日付で、昨年12月分の集計です。上海戸籍の人と上海外の人を分けて数えているのはいろいろ考えさせられますね。

そのデータを用いて、自分でエクセルでグラフを作ってみました。横軸は4月始まりの月、縦軸は発生(登録)患者数です。赤線が昨シーズン、緑線が今シーズン(12月まで)です。


昨シーズンと今シーズンでは、インフルエンザの増減の傾向と発症数は似ていますが、どうも今シーズンは昨シーズンよりも増加の立ち上がりが早いようですね。なお夏にもインフルエンザが多いのは、南国の特徴です。

ウイルス株でみると、日本とちがい、中国はAH3よりAH1pdmの方が多いことは以前のブログでも書きました。

おそらく、AH1pdmは抗体のない子供の間で流行していると思われます。実際、わたしのクリニックでも大人のインフルエンザは増えた感じがあまりしません。

お子さんをお持ちの親御さんは、子供さんの間での感染には引き続き注意してください。



ついでに、猩紅熱の統計もグラフにしました。やはり上海市の集計です。

横軸は4月始まりの月、縦軸は発生(登録)患者数です。赤線が昨シーズン、緑線が今シーズン(12月まで)です。



今シーズンも猩紅熱は増加傾向です。まだわかりませんが増加のペースは昨年よりも少ないかもしれません。

猩紅熱も、やはりお子さんに多い病気です。ごくまれに死亡例もあります。予防には手洗いをしっかりしましょう。

感染症はやはり予防が第一です。

にほんブログ村