以前のブログでインフルエンザの発生数についてアップしました。
今回は流行している型について書きます。
インフルエンザの型にはA,B,Cがあります。現在流行しているのはA型は2種類、A香港型(H3N7、略してAH3)と2009年に流行した新型インフルエンザ(略してAH1pdm09)です。
B型も2種類、山形系統とビクトリア系統です。
ときどき報道される鳥インフルエンザH7N9などは、散発するだけで流行はしていないので、今回はとりあげません。
日本の現在の流行について、国立感染症研究所のデータから、ウイルスを型で分けた円グラフを自分で作ってみました。これはこの冬の今年1月5日までの報告です。ですからまだ検体総数は多くありません。
それによると、日本全体では今のところA型の2種類が主流で、AH3が一番多く、新型AH1pdm09がそれより少なく出現している状況です。
参考までに、昨年(下記)はほとんどがAH3で、AH1pdm09は少ない状況でした。
上海はどうか?
ちょっと見づらくてすみません。下記は中国国家流感中心(国立インフルエンザセンター)のデータです。こちらは上海を含む中国南部の12月27日までの集計です。縦軸が検出/分離ウイルス件数、横軸が時間(週数)です。
右側、つまり時系列最後の方(=2015年12月)で、一気にえんじ色の割合が増えています。これはAH1pdm09です。
日本と同じように、ウイルスを型で分けた円グラフを作ってみました。下記は2015年12月28日から2016年1月3日の間の、上海を含む中国南部で分離/検出された310例の集計です。
AのほとんどがAH1pdm09ですね。AH3は日本とちがって少ない。
つまり上海を含む中国南部では今のところA型が4分の3を占め、大多数がAH1pdm09で、AH3は少ない状況です。
参考までに、下記は同時期の中国北部のデータです。なんと主体はAH3でした。同じ中国国内でもちがいますね。
場所によって流行するウイルスにちがいはありますが、インフルエンザは予防が一番重要!
手洗い、ワクチン、人ごみを避けるなど、個人でできることは今後も気をつけたいものですね。